世界トップクラスの走行性能と人気を誇るスポーツカーのポルシェ「911」。高額であることでも知られていますが、一体どれくらいの年収があれば購入できるのでしょうか。

「911」の新車価格は1620万円から…年収いくらあれば?

 世界トップクラスの走行性能と人気を誇るスポーツカーのポルシェ「911」。
 
 高額車であることでも知られていますが、一体どれくらいの年収があれば購入できるのでしょうか。

「911」はポルシェの代名詞といえるスポーツカーです。

 厳密には、「911」はシリーズ展開車種で、たくさんのボディタイプやグレードが存在します。

 シリーズは性能によって、「カレラ」、「ターボ」、「GT3」の3タイプに大別できます。

 カレラはベーシックモデルで、ターボは高性能チューニングカー、GT3は公道対応のレーシングマシンと考えられます。

 さらに、それぞれに基準車、4(4輪駆動)、S、4S、GTSといったグレードが存在し、パワーをはじめ性能が異なります。ボディタイプもクーペやカブリオレ(オープン)が設定されています。

 加えて、特別モデルや限定モデルも存在するため、「911」シリーズだけでもかなりの大所帯。現在の日本導入モデルを数えると26機種の「911」が存します。

 そのため車両本体価格も、消費税込みで1620万円〜4118万円とワイドレンジとなっています。

 ちなみに搭載されるエンジンは、排気量や吸気方式に違いはあれど、水平対向6気筒という核の部分は全車共通。

 初代から受け継がれるエンジン形式は、「911」の価値を不動のものとしているのです。

 ともあれ、1000万円を超えるプライスタグを掲げる「911」は、高級車といえるでしょう。それでは、「911」のオーナーとなるには、どれくらいの年収が必要なのでしょうか?

 まず大前提として、ポルシェの新車価格はあくまでベースの数字であり、そこにさまざまなオプションを追加し、オーナーだけの「911」に仕上げていきます。

 注文住宅を新築するのと同様、ボディカラーはもちろんのこと、ホイールの種類、シート表皮の種類、運転支援機能の有無といった細かい設定が可能で、こだわりを突き詰めていくとオプションだけで200万円を超えることなど当たり前という状況です。

ローンなどを利用しても高額車である事実は変わらない

 今回はそれらのオプションと納車までの費用を考え、1800万円をベースに試算してみました。「無理なく購入できる新車は年収の半分程度」という考え方に基づくと、最低3600万円の年収が必要となります。
 
 国税庁が公表した令和4年度の日本の平均年収は457万6000円で、男性平均は563万3000円、女性平均は313万7000円でした。

 そのため、ポルシェ「911」の新車を現金一括で購入できるのは、かなりの富裕層となるでしょう。

 ゆえに、現実に購入を考えると、ローンの活用は必須です。

 ただし、ベースの車両価格に4%の金利、60回払い(5年ローン/頭金・ボーナス併用なし)で計算すると返済総額は1790万831円となり、29万8347年/月の支払いが必要となります。

 ローンについても「手取り額の20%程度が適切」といわれていますから、ここから導くと月給150万円の手取り額が必要となります。

 給料の25%が天引きされることを踏まえると、200万円の月給が必要となり非現実的です。

 また、ポルシェ「911」は価値が落ちないことから、4%の120回ローン(10年)で計算し直すと、返済総額1968万1990円・16万4017円/月となります。やはり高額支払いであることに変わりはありません。

 ちなみにポルシェは、独自のオートローンや残価設定型ローン、リースを用意しています。

 オートローンは60回まで、残価設定型の場合はローン設定時に車両価格の40%を据え置き、最終となる36回目に残金を支払うものとなります。

 そしてリースの場合、3年で40%、4年で30%、5年で25%を据え置き、各種税金や整備料込みの価格を支払う仕組みです。

こんなクルマでカーライフを楽しんでみたい!(画像はポルシェ「911ダカール」)

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 多くのオートローンは最長10年に設定されています。

 それを元に考えると、多少無理をしてでも1000万円の年収がなければ、安心して新車の「911」を買うことはできないでしょう。

 とはいえ、年収1000万円は一般の人でも目指せる額ではないでしょうか。

「ポルシェは他のスーパーカーと違って頑張れば買える」といわれる所以はここにありそうです。

 ちなみにポルシェには、「911」よりも安くて走行性能は同等といわれる「ボクスター」や「ケイマン」もあります。

 新車価格は1000万円以下から設定されているため、より目標にしやすいかもしれません。

 さらに、中古車を選択肢に加えれば、購入・維持へのハードルはより低くなります。

 中古車の中には、国産高級車ほどの価格で販売されているものもあります。それなら年収1000万円以下でも「911」オーナーになることは十分に可能でしょう。