自身の妊娠がきっかけで育児などの漫画を描くようになったしゃけなかほい(@syake8989)さん。今回は、Twitterにて投稿されている中からエッセイ漫画「【ブラック企業の日常】ありえないソフトの更新時期の対策方法(1)〜(2)」を紹介するとともに、著者に本作で登場するソフトの有効期限やその後の会社の対応についても伺った。



しゃけなかほいさんが入社して1年ほど経ったある日、会社のPCに突然『サブスクがあと1カ月で有効期限が切れる』というアラートが表示される。

上司にそのアラートについて報告すると、「申請しとくわ」と一言。会社では、このソフトがないと仕事が一切できないのである。

ところが、そのアラートがいつまでもなくならないので、その間ずっと上司に申請してもらえるよう伝えていたしゃけなかほいさん。申請したくないのか嫌がらせなのかわからないが、何回も伝えていたのでしゃけなかほいさんはついにブチ切れてしまう。

「あの、何度も言ってますが、今日でソフト切れるので、仕事できないんですけど!」と上司に話すと、「切れてもしばらくは使えるから大丈夫」と半笑いしなら言ってくる。

怒りを通り越して呆れるしゃけなかほいさん。しかし、このあと上司の想定外の展開が待ち受けていたのである。

ソフトがしばらく使えるならいいと思い、気を取り直して仕事するためにPCに向かう。すると、PC画面にはソフトの購入を促すアラートが表示され、ついに仕事ができない事態に。

その様子に気付いた上司は、急いで部長のところへ行き何やら話をしている。すると、部長は「そんな金あるか!?なんとかしろ!」と大声で部下に怒鳴り、まさかの無茶ぶり!! 部長のその言葉に、思わずドン引きするしゃけなかほいさん…。

上司は席に戻ると、無言で何かの作業をはじめる。そして、「しばらく体験版で仕事して」と言うと、新規のアカウント情報が記載されたメモが渡される。

そのソフトは体験版だと機能制限があり、カスタマイズしているのでアカウントが変わると仕事に支障が出てしまうのだ。さらに、体験版では商用利用はNG…。そのことを上司に話すも「いいから仕事して!」と言われてしまい、しゃけなかほいさんはしばらく体験版で仕事することになる。

この会社は、仕事で利用するソフトも購入できない…。体験版での商用利用は規則違反なのに、それでも仕事をさせようとするブラック企業。しゃけなかほいさんは、この会社への不信感が強まるばかりなのであった。


SNSやブログでコミカルなエッセイ漫画を投稿しているしゃけなかほいさん。著者にソフトの有効期限が切れたときの心境について伺うと、「普通の会社ならアラートが表示される前や表示されたら直ぐに更新、または企業で契約して一括更新かすると思うのですが、私の会社ではいつまでも対応してもらえませんでした。対応するどころか、管理職の上司は『切れてもしばらくは使える』と意味不明なことを言ってきたので、さすがに人間性を疑いました…」と話してくれた。

しばらく体験版のソフトで仕事していたしゃけなかほいさん。最終的にそのソフトは会社で購入されたのか聞くと、「はい。結局ソフトを買ってもらえたのは1週間後くらいでした。こんな会社はここが初めてで、ブラック企業は誰に対してもブラックです。お客さんから離れていったのか、仕事に対してあぐらをかいてたのがばれたのか、会社の業績は毎月赤字が続いていた時期でした」と語る。



取材協力:しゃけなかほい(@syake8989)