「インターチェンジ」と「ランプ」って何が違う? 高速道路の出入り口の呼び方の謎を解明!

この記事をまとめると

■日本の都市高速には「インターチェンジ」という用語が使われない理由を解説

■「インターチェンジ」と「ランプ」の明確な違いが国土交通省によって定義されていた

■最近では「ジャンクション」という用語も使われるようになってきた

都市高速には「インターチェンジ」と呼ばれる場所がない!

 日本の高速道路には、大きくわけて二種類があり、ひとつは都道府県をまたぎ、全国的に展開している高速自動車国道(東名高速、中央道など)。もうひとつ、首都高など全国6つの都市にある都市高速に代表される、自動車専用道路がある。

 これらの都市高速は、「首都高速」など名前に「高速」が入っているので、一般の利用者は高速自動車国道ととくに区別することはないだろうが、じつは都市高速には、①国道ではない、②インターチェンジがない、③サービスエリアがない、といった特徴がある。

「えっ、インターチェンジがないって、どういうこと? 都市高速にだって出入り口はあるよね?」と思うだろうが、少なくともいまの都市高速にはインターチェンジはない。

 東名高速などNEXCOの高速道路(高速自動車国道)では、一般的に出入り口のことを「○○インター」というが、都市高速では「○○ランプ」と呼んでいる。

「ランプ」だけでなく最近では「ジャンクション」を使い始めた

 なんだか違いがピンとこないが、国土交通省によると、「インターチェンジ(IC)とは、立体交差する道路相互間、または近接する道路相互間を連絡路によって立体的に接続する施設。一般的に本線車線と変速車線および連絡路から構成され、有料道路の場合には必要により料金所が併設される」とのこと。

 一方、ランプは英語「ramp」のことで、「斜面/傾斜路」の意味。ヘッドランプの「lamp」とはスペルが違うので意味も違う。

 たしかに一般道から首都高に入る場合、直線的な坂を上って、そのまま分岐もなく本線に合流するスタイルが基本で、NEXCOの高速道路では、「料金所の手前、あるいは先がループ状になっていて、分岐もあるので、ランプ(傾斜路)よりインターチェンジのほうがしっくり来る」とのこと。

 なお現在の首都高速では、「ランプ」ではなく「○○入口」「○○出口」と呼ぶのが正式名称。

 1995年に改称したそうだが、いまでもラジオの交通情報などでは「○○ランプ」と呼称しているので、依然として「ランプ」の名は定着している。

 付け加えると、かつて首都高では、環状線と各支線が交わる箇所を「インターチェンジ」と呼んでいたが、1995年以降は、「ジャンクション」(JCT)に統一。

 国土交通省でも「ジャンクション(JCT)は、高速道路相互を直接接続するインターチェンジのことを通常のインターチェンジの概念(一般道路との出入を目的とし、料金徴収施設が併設されている)と区別するため、用いられている用語です」と説明していて、高速道路と高速道路が交わるところ=ジャックションとなったことで、正式にいえば、首都高には出入り口としてのインターチェンジもなければランプもないというのが現状だ。