多くの中学受験塾には組み分けテストがあります。成績によってクラスが変わるこのテスト。全力を尽くしたいものですが、体調不良や学校行事などで欠席せざるを得ないこともありますよね。では、組み分けテストを休んだらどうなるか、そして休んだときはどうすればいいのでしょうか?大手塾講師・天海ハルカさんがお話しします。

組み分けテストは塾ごとに違う

組み分けテストのシステムは塾ごとに異なります。

テストに出題範囲があるかどうか、休んだらどうなるかなどですね。

さらに同じ塾でも、クラス昇降ルールなどが校舎によって変わることもあります。

ここではあくまで、比較的多いと思われる例をお話しします。

すでにお通いの塾がある場合、詳細はその塾へお問い合わせくださいね。

組み分けテストを休んでもすぐにはクラスが下がらないことも

組み分けテストを休んでも、すぐにはクラスが下がらない塾が多いように思います。

たとえばSAPIXでは、マンスリーテストや組み分けテストを休んでも、一度ならクラスはそのままです。

体調不良や学校行事など、欠席もやむなしという事情はありますからありがたいですね。

とはいえ、一度ならクラスが下がらなくても、連続して休んだらクラスは自動的に1つ下がるので気をつけましょう。

塾によっては別の日にテストを受けることができる場合もあります。振替授業と同じシステムですね。

一方で、テストを休んだ場合は過去数回のテスト結果で判断するという塾もあります。

この場合は、一度の欠席でクラスが落ちる可能性もあるので、やはり塾のシステムはあらかじめ確認しておくと安心です。

組み分けテストを休むと勉強に遅れは出る?

組み分けテストは大事ですが、欠席したからといって授業に遅れが出るわけではありません。

というのも、テストの内容を授業に持ち込むことはほとんどないんですよね。

「テストの解説は授業で扱わず、解答解説を使って生徒が自分でやるもの」というのが多くの塾のスタンスだと思います。

組み分けテストを休んだからといって勉強には関わらないので、その点では心配しなくて大丈夫です。

ただし、授業で先生が「この問題は組み分けテストにも出たよね」と言うことはあるかもしれません。

たとえば私の場合、ことわざや漢字、著者の話をするときに「テストでも出たよね」という話をすることがあります。

同じ知識は何度も意識して触れたほうが身につくので、他の科目でも話題に上げることはあるでしょう。

組み分けテストに限らず、テストを欠席したら、家で時間を決めて問題を解くのが難しくとも、ざっと目を通すだけでもできると良いですね。

組み分けテストを休んだら問題はもらえる?

欠席しても、組み分けテストの問題と解答は基本的にどの塾でももらえると思います。

しかし、問題や解答をもらうタイミングは、塾や学年などでそれぞれ異なるでしょう。

ちなみにテストを受けていても問題も解答も当日はもらえず、後日まとめてもらうということもあります。

欠席の連絡をする際に、問題や解答をもらえるタイミングも聞いておくと安心ですね。

組み分けテスト欠席後にすべき勉強は?

組み分けテストには、今身につけるべき知識が詰まっています。

問題と解答を手に入れたら、家で時間を計って解いてみましょう。

すぐに採点や直し作業ができるので、4科目まとめてではなく、1科目ずつ分けて解いても大丈夫です。

とはいえいつも通りの勉強もあり、実際のテストと同じ時間を追加で捻出するのは大変でしょう。

時間を計って解いてみる余裕がない場合は、時間を決めず問題と解答を見ておくだけでも良い勉強になります。

たとえば国語なら、問題を解かずとも読解文を読むだけでもいろいろと身につくんですよね。

物語文の展開や論説・説明文の主張は、読めば読むほど引き出しが増えて、新しい文章を読むときの推測力につながります。

漢字や言葉の問題は、今知っておきたいものばかりなので、同じ問題が出てもできるようにしておきたいです。

テストの正答率がわかるようなら、解く問題の厳選に活用しましょう。

正答率の低い問題は、テストを受けていたとしても触れなくて構いません。

正答率の高い低いの目安は偏差値によって変わりますが、まずは70〜80%を基準にしてみましょう。

苦手な科目は正答率80%以上、得意な科目は70%以上というように、得手不得手で変えて解くのも良いですね。

あまり細かく問題を精査するのは大変なので、正答率の低い問題が多い大問は、余裕がなければ大問ごとカットしてしまっても構いません。

正答率の高い問題をつまみながら全体を見て、現段階で押さえておきたい知識の確認をし、次のテストに備えましょう。

塾のシステムを知っておこう

組み分けテストはクラスの昇降に関わるため、できるなら休みたくはないものです。

しかし体調不良はしかたがありませんし、運動会や林間学校などの学校行事はテストより優先すべきだと私は思います。

連続でなければ、テストを欠席してもあまり気にしなくて大丈夫です。

大切なのは休んだ後にどうするか。問題をしっかり確認し、次に備えましょう。

組み分けテストでのクラス分けシステムは、塾によって異なる部分がとても多いです。

通っている塾がどんなシステムなのか、気になったときに調べておくと安心ですね。

「塾のシステムは複雑でわかりにくい!」という気持ちも、親の立場になるととてもよくわかります。

校舎ごとに違うということもあるので、よくわからないときは遠慮なく塾に問い合わせてくださいね。

※中学受験ナビの連載『塾のトリセツ』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ。

https://katekyo.mynavi.jp/juken

天海ハルカ
この記事の執筆者
天海ハルカ
大手進学塾で国語講師を務め、主に5,6年生を担当。偏差値20台の勉強しない子供から、御三家に合格するレベルの子供まで幅広いレベルを受け持つ。モットーは「無理なく楽しく効率的に」。著書に『中学受験国語・成績を上げる思考力の磨き方-情報を整理し理解して伝える力』(エール出版社)。

中学受験を応援する個人サイトを運営しながら教育系webライターとして教育、子育てサイトでも活動。プライベートでは、わが子の中学受験をサポート中。

中学受験アシストブック https://assist-book.com
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