風化防止といじめの撲滅を願う石碑が設置されました。8年前にいじめを苦に自殺した、大島商船高専の男子学生の献花式が命日にあたる21日に行われました。

8年前の5月21日、周防大島町の大島商船高専で当時1年生だった男子学生が校舎の非常階段から飛び降り、命を断ちました。原因はクラスメイト9人によるいじめでした。学生の自殺から8年が経ちましたが加害者側から遺族に対し、いまだに謝罪の言葉はないといいます。学校は加害者と通信アプリなどを使って接触を続けていて、遺族への謝罪に向け今後、9人と面会したいとしています。

【大島商船高専 石原良晃副校長】

「ご遺族様と対面の場を持てるように、学校として努力していくということが、いまできる精いっぱい。期限を定めるということは、いまのところ考えておりません。」

学校の敷地には、いじめの再発防止や風化防止の願いを込めた庭園が造られました。考え方の違いがあっても、相手への思いやりを持ってほしいとの思いを込め、「にじいろ広場」と名づけられました。庭園の中央には小さな石碑を設置。自殺した男子学生が、生前、20歳の自分に向けて書いた手紙の一文が刻まれています。

【男子学生の母親】

「学生の皆さまがいじめに悩むことなく、笑顔で毎日を過ごしていけるように、実際に手紙に書かれてあった息子の字を拡大して石に彫っていただきました。」

学校は教職員に対して、いじめを防止するための意識調査などを引き続き実施し、万が一の場合に早期に対応できるよう努めていくとしています。