南陽市宮内の山林で発生した林野火災は5日、延焼範囲が同日午後5時現在で約95ヘクタールまで拡大した。市は同日、住宅への延焼の恐れがあるとして、市内の川樋の一部と新田、内原の3地区の計148世帯410人に避難指示を出し、避難所を開設した。秋葉山が広範囲で焼けており、山小屋とトイレの2棟が焼けたが、同日は他に建物や人的な被害は確認されていない。

 消火活動は、この日午前5時に再開した。本県の「もがみ」を含む宮城、福島両県の消防防災ヘリと、陸上自衛隊は第1ヘリコプター団(千葉県木更津市)から双発機のCH47チヌークも投入し、計6機態勢で消火活動を展開した。ヘリは近隣の湖沼から水をくみ、上空から放水した。

 火の勢いは弱まらず、同市宮内地区から東側の中川地区に燃え広がり、秋葉山の山荘、山頂部などものみ込んだ。市は秋葉山東側まで火が及び、住宅まで数百メートルまで火が近づいている所もあり、延焼の危険性が高まったとして、同日午後6時半、避難指示を出した。同9時半現在、計9世帯19人が避難所に身を寄せている。

 日没でこの日の消火活動はいったん打ち切られた。市災害対策本部の会議で白岩孝夫市長は「延焼のスピードは落ちたが、まだ拡大している」と説明した。夜間は延焼拡大の警戒を続け、6日午前5時に消火活動を再開する。同市での林野火災を受け、総務省消防庁は第1次応急体制として、4日に災害対策室を設置している。