バスケットボール男子・Bリーグ2部のプレーオフ(PO)準々決勝最終戦の2試合が5日、各地で行われた。パスラボ山形ワイヴァンズ(東地区3位)は福岡県の飯塚市総合体育館で福岡(西地区2位)と対戦し、86―76で勝利した。山形は2勝1敗でチーム初の準決勝進出を決めた。

 山形の先発はルーズベルト・アダムス、ジェームズ・ベル、村上慎也、白戸大聖、ティモシー・ホリフィールド。福岡は村上駿斗(山形南高出)らが先発した。前半は、福岡の外国籍選手からゴール下を攻められたものの、山形は粘り強くリバウンドを奪い、37―40で折り返した。

 第3クオーター(Q)終了時点で7点を追う展開となったが、第4Qにホリフィールド、阿部龍星(山形南高出)の2点シュートなどで詰め寄り、ベルの3点シュートで逆転に成功。その後もベル、村上慎がフリースローを着実に決め、福岡の追い上げを振り切った。

 リバウンド数は、福岡の35を上回る41だった。山形はベルが30得点10リバウンドのダブルダブル、ホリフィールドが15得点、村上慎が13得点、岡島和真が10得点。本県出身者は阿部が4得点、村上駿が9得点だった。

 POは2戦先勝方式。この日はほかに、滋賀(西地区1位)が青森(ワイルドカード1位)を92―79で退け、2勝1敗で準決勝に進んだ。滋賀の柏倉哲平(山形南高出)は8得点7アシストだった。

 準決勝は山形―滋賀、A千葉(東地区1位)―越谷(東地区2位)の組み合わせとなる。山形は、11日に大津市の滋賀ダイハツアリーナで滋賀との準決勝初戦に臨む。

我慢し逆転につなげた
 石川裕一ヘッドコーチの話 互いの意地がぶつかった素晴らしい試合だった。福岡に先手を取られて苦しい場面もあったが、我慢して逆転につなげられた。チームの課題だったリバウンド争いも良く、最後はエース(ベル)が仕事をしてくれた。

大歓声、喜び分かち合う・山形でPV
 パブリックビューイング(PV)が行われた山形市のムービーオンやまがたでは、約180人のブースター(ファン)がパスラボ山形ワイヴァンズのチーム史に残る勝利に沸いた。

 試合終了のブザーが鳴ると、ブースターは大歓声を上げ、抱き合って喜びを分かち合った。会場でひときわ声を張り上げていた介護士丹野伸哉さん(27)=同市元木=は「勝ってほしい、という一心だった。ベル選手は絶対に決めてくれると信じていた」と力を込めた。

 チームの参戦10年目で初のPO準決勝進出を決め、初期からのブースターという会社員安倍京さん(58)=同市小白川町4丁目=は「本当に感無量。前半は心配だったが、選手は誰も諦めていなかった」と話した。PO準々決勝の計3戦でPV会場を盛り上げたチアリーダー兼ディレクターのMAYUさんは「節目のシーズンの準決勝(進出)がうれしい。優勝まで行ってほしい」と目を潤ませた。