酒田市松山文化伝承館で、3月末に閉館した眺海の森天体観測館「コスモス童夢」の企画展「ありがとうコスモス童夢 ファイナル☆ギャラクシー☆レッスン」が開かれている。天体ファンや閉館を惜しむ人たちが訪れ、1993年の開館から刻んだ30年の歴史を振り返っている。

 コスモス童夢は、旧松山町が眺海の森敷地内にオープンさせた。酒田市との合併後は同市に運営が引き継がれた。当時、県内最大級の口径50センチの反射望遠鏡を備え、天文現象の観測や子どもたちの学習の場などとして活用された。望遠鏡を格納するドームが開閉しなくなるなど施設が老朽化し、来館者も減少傾向が続いたことから昨年度休館し、3月末で歴史の幕を閉じた。

 同伝承館は、コスモス童夢に感謝し、お別れする機会を設けようと展示会を企画した。施設で使われていた天体写真や、太陽の解説パネル、宇宙ステーションなどの模型、天体観測館だよりといった資料約100点を紹介している。96年に米スペースシャトルで若田光一さんと共に宇宙飛行した旧松山町の旗や、オリオン大星雲、プレアデス星団などの写真、アフリカで採取された隕石(いんせき)、天文関連の図書なども並ぶ。

 星座に関するクイズイベントもあり、人気を集めている。展示は6月16日まで。5月12日と6月2日のいずれも午後1時半から、コスモス童夢の最後のスタッフだった宇佐美信一さんによるギャラリートークがある。6月2日午前9時半からは、手作りプラネタリウムのワークショップも催される。ギャラリートークとワークショップは無料だが予約と入館料が必要。同館0234(62)2632。