日本銀行が27日に公表した1〜3月期の資金循環統計(速報)によると、3月末時点で個人(家計部門)が保有する金融資産残高の合計は2199兆円だった。前年同期比7・1%増で、5四半期連続で過去最高を更新した。3月に日経平均株価が史上最高値を更新するなど、株高を受けて、株式や投資信託の資産価値が膨らんだ。

 金融資産は現金や預金のほか、株式や保険など金融商品の合計を示す。内訳をみると、「株式等」は33・7%増の313兆円、「投資信託」は31・5%増の119兆円と大幅に増加し、過去最高を更新した。1月に少額投資の運用益を非課税にする「NISA」の制度が大幅に拡充され、投資への関心が高まったことが背景にある。

 「現金・預金」は1・1%増の1118兆円で、金融資産残高全体の50・9%を占めた。冬の賞与が支給された2023年10〜12月期からはわずかに減少した。「保険」は1・0%増の382兆円だった。

 日銀が保有する国債は576兆円で、発行残高に占める割合は53・3%と、前年同期から横ばいだった。日銀は7月の金融政策決定会合で、国債買い入れの減額計画を決める予定で、保有残高は段階的に下がる見通しになっている。