NHK大河ドラマ「光る君へ」に合わせ、福井県越前市などが市内に開設した大河ドラマ館は、紫式部が暮らした越前編の内容を盛り込んだ展示に刷新した。展示替えは2月の同館オープンから初めて。

 ドラマでは6月23日までの約1か月間、越前が舞台となった。紫式部が紙すき農家を訪ね、越前和紙と出合うシーンも描かれた。

 刷新は6月28日。会場には、紫式部を演じる吉高由里子さんや見習い医師・周明役の松下洸平さんが撮影で使った衣装を展示。淡い文様の黄色のうちきと宋人服が越前国府の回廊の写真を背景に置かれている。ドラマで紫式部が詠んだ「ここにかく 日野の杉むら うずむ雪 小塩の松に 今日やまがへる」や、越前和紙の小道具も紹介している。

 館内で見ることができる4K映像では吉高さんが登場。越前編について「小学生の頃の夏休みみたいな感じ。越前で見た風景も源氏物語に影響している」と語っている。

 訪れた三重県津市の男性(68)は「コンパクトにまとまっていて越前のことを知るにはちょうどよい。他のドラマ館に行った人も飽きずに見られる」と話していた。

 西川哲司館長は「越前編が始まってから来場数が伸びており、この勢いを持続したい」とする。同館の来場者は6月28日に福井県坂井市から訪れた80〜90歳代の女性グループが6万人目となった。