航空会社スターフライヤー(北九州市)は、ペットと機内で同乗できるサービスを今年1月、国内線全便に拡大した。国内の航空会社では唯一の取り組み。町田修社長は成果に自信をのぞかせる。

 「この手の施策としては、私も航空業界に長くいますが、ヒットしている施策だと思います」。全日本空輸(ANA)出身の町田氏は4月30日の決算会見で、ペット同乗サービスをこう評した。

 ワクチン接種などの条件を満たした小型の犬か猫が対象で、1便2匹まで。飼い主1人と最後列の3席を使う。機内ではケージから出せず、おむつの着用も必須だ。

 海外では一般的だが、国内では前例がなかった。コロナ禍で旅客数が激減する中、新たな誘客・増収策として2022年3月に北九州―羽田間の4便で開始。同10月に同路線全便に、さらに今年1月に福岡―羽田など国内線全便に広げた。

 2席に乗客が座れず、消毒などの負担もあり、料金は飼い主の運賃と別に1匹5万円。予約ベースでは開始から22年度末まで195件、23年度が215件で、安定して予約が入っているという。

 町田氏は「新しいことにチャレンジする社風のアピール。ここをきっかけに知名度も含めて伸ばしていければ」と話す。

 コールセンターなどには機内にペットを入れることに反対する意見も届く。一方で、厳格な手続きもあり、これまで搭乗時の大きなトラブルの報告はないという。