昨年度の青森県内の企業倒産件数(負債額1千万円以上)が59件、負債総額は159億8700万円に達したと、東京商工リサーチ青森支店がこのほど公表した。負債総額が150億円を超えるのは、2012年度以来。

 倒産件数は前年度比で16件増えた。コロナ対策として国が中小企業向けに実施した、実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が本格化したことによる関連倒産が、32件と半数以上を占めた。

 負債総額は前年度の3倍で、107億5400万円の増加。関連会社を含め69億7085万円の負債を抱えた食品スーパー佐藤長の6月の倒産が、総額を押し上げた形だ。

 産業別では、建設業と小売業がそれぞれ15件と最多。製造業が10件、サービス業他が7件と続いた。

 原因別では、販売不振や赤字累積、売掛金回収難などによる不況型倒産が49件と全体の8割を占めている。

 同支店は「今年もゼロゼロ融資の返済を迫られた企業がまだ相当数ある一方、昨今の物価高や人手不足などで多くの企業が体力消耗を強いられている。さらに運輸業などに時間外労働の上限規制が適用されたいわゆる2024年問題の影響が本格的に出てくれば、今年度の倒産動向も増勢が続く可能性が高い」とみている。(沢田歩)