地震で年明けした北陸路にも桜の季節がやってきた。良型の春カレイが好調に釣れだしたポイントがあったり、ホタルイカがすくえたりする場所もある。応援する意味でも出かけ、現地で道具や餌を買って、地元の人の邪魔にならない場所でやってみよう。2、3日、富山市周辺を見て回った。 (東條敏明)

 富山城・松川の桜が咲き始め、5〜7日には春の風物詩「全日本チンドンコンクール」が開かれ、2週目には満開を迎えた富山市は、一気に春めいている。市街地を流れる庄川や神通川では、サクラマス釣りが解禁され、全国からルアーマンらが訪れている。海ではカレイやマダカ、サゴシがシーズンに入った。

 大型釣具量販店の情報によると、カレイは高岡市の国分浜周辺で3月20日、34〜39センチ3匹、赤イソメの餌。25日、同市・雨晴サーフで15〜35センチ5匹、アオイソメの餌。30日、国分浜周辺で35、43センチ各1匹、アオイソメの餌。31日にも36〜41センチ5匹釣れているという。

 国分浜は無料駐車場(午後9時〜午前6時閉鎖)やトイレもあって初心者も釣りやすい砂浜。沖には消波ブロックが3列並んでいるが、ブロックまでの間や隙間をめがけて遠投するかして狙う。港の大突堤や赤灯堤は釣り禁止なので注意。雨晴サーフは、雨晴マリーナ(太田マリーナ)周辺が釣り場。駐車場もある。突堤とそれに続く砂浜がポイント。

 人気ポイントだった同市の伏木万葉ふ頭は、能登半島地震の影響で釣り座が陥没したり、液状化したりして駐車場も釣り場も閉鎖された。同ふ頭対岸の岸壁で投げサビキをしていた初老の釣り人は、「地震で海底が30センチ程度盛り上がった影響で海が浅くなった。1月以降いい釣果がない。投げる練習しているだけ〜」と嘆いていた。クロダイ狙いの釣り人も「今日はウグイ1匹」。

 射水市の海老江海浜公園では砂浜でチョイ投げしていた男の子を連れた親子がなんと、ホタルイカを2杯。「アオイソメの餌が口に掛かっていたから、食ってきたと思う」と父親。

 この時期は“ホタルイカの身投げ”といって、夜、産卵のため岸近くに寄ってきたホタルイカが、砂浜などに打ち上げられる現象がある。新月の満潮時が、打ち上げられることが多いという。運が良ければ大量にすくい取れることも。富山市の岩瀬浜が有名ポイント。国分浜や海老江海岸も接岸するという。幻想的な青白い光を見るだけでも価値がある。釣具店などで販売中の「ホタルイカすくいセット」を買っていこう。5月初旬まで取れる可能性がある。