鹿児島県教育委員会は、志布志市の小中一貫型教育校・伊崎田学園内に新設する特別支援学校について、2028年4月に開校する整備計画を14日の定例会で明らかにした。本年度中に基本設計に着手し、26年度に着工する見込み。地元関係者からは歓迎する声が上がった。

 「子どもたちが安心して生活できる学校をつくってもらうには4年後は妥当」。志布志市に特別支援学校をつくる会の有馬りゑ代表(40)は計画を評価する。

 小学3年生の長女は、霧島市の牧之原特別支援学校にバスで往復3時間かけて通う。伊崎田学園内に開校すれば自宅から車で10分。長女の体調不良時、すぐに駆け付けることができる。「新設校には期待しかない」と声を弾ませた。

 一方、特別支援学校を誘致してきた伊崎田校区コミュニティ協議会の桑迫悟会長(63)は、できるだけ早い開校を願う。「保護者や地域の要望を市や県に伝えたい」と力を込めた。

 学園には、こども園も隣接する。志布志市の福田裕生教育長は「インクルーシブ教育のモデル校区となるよう、県と連携していきたい」と意欲を見せた。

 計画によると、新設校には小学部から高等部までを置く。対象は同市のほか、旧財部町を除く曽於市、大崎町に住む知的障害、肢体不自由の児童生徒。校内には普通教室や個別指導教室をはじめ、清掃実習室や地域住民と交流できる喫茶実習室を設ける。医療的ケア室や日常機能訓練室のほか、パニック状態になった子どもが心を落ち着かせる小部屋なども設置する予定だという。

 対象の2市1町からは23年5月時点で、児童生徒91人が牧之原(霧島市)、鹿屋(鹿屋市)の両特別支援学校に通学。長時間通学と教室不足が課題となっており、塩田康一知事が2月の県議会で、志布志市に新設する意向を表明していた。