南国の種子島で建築業を営むオーナーが、大工道具の運搬に活用している愛車の海凪丸を個性的にアートアップ。とはいえ、島にはアートショップはないため(アート車もほぼ皆無)、パーツ製作時にはフェリーで約3時間半かけて九州本土へ。鹿児島市内の米満興業で突貫製作したという。

黒塗りキャブに装着した大型パーツ類は、ビッグスケールと独創的なアレンジが光るモダン志向で統一。目玉となるラッセル戻しは、精悍なフォルムもさることながら「白いカラーパネル×菱抜きデザイン」のサイドスリットもオリジナリティ満点。前面と側面には「赤地+ミラー文字」のカラーリングが印象的な名文句アンドンを組み合わせている。

また、電飾仕掛けのミラーステーや、天板を格子状とした2段平型バイザーなど、キャブトップにも、ビッグで存在感のあるワンオフパーツを積極採用。バンパースリット同様の菱抜きデザインをミラーステーに施すほか、アンドン類も「赤地+ミラー文字」で統一するなど、トータルバランスを徹底追求している点も見逃せない。

左右に設置した3連テールボックスを含め、角テール×12発を整然と並べたリア下周りも、シンプルながらも人目を引くビューポイントといえよう。 なお、菱抜きデザインをあしらった各パーツは、その内側にLEDをインストール。「先日は地元のお祭りに招かれて、ナイトシーンを楽しんでもらいました」とのこと。種子島にアート車が広まるか否かは、海凪丸の活躍にかかっている。

【写真6点】種子島の希少&お宝アート車。

カミオン2010年10月号トップアートをもとに再構成