毎年この時期に、道端で見かけるこちらの黄色い花を知っていますか?岡山市の旭川沿いでよく見かける花ですが、きれいな見た目とは裏腹に、生態系を脅かす可能性が指摘されています。

RSK

鮮やかな黄色い花を咲かせるこの植物。

(通行人)
「いいんじゃないですか。この時期にパッと咲くので」
「景色がすごく華やかにになるのでいいなと思います」

毎年この時期に河川敷や道路の法面などを真っ黄色に染め町の人を楽しませていますが、実は…

(岡山大学 中嶋佳貴准教授)
「北米原産のオオキンケイギクという植物です。外来生物法で特定外来生物に指定されています」

RSK

北アメリカ原産の特定外来生物オオキンケイギクです。この花の特徴は何といってもその繁殖力です。

(岡山大学 中嶋佳貴准教授)
「下の方からきれいに刈ったとしても下から簡単に再生してきます。それが冬も残って翌年もまた出てくる」

専門家によりますと、オオキンケイギクは種を飛ばすことで急速に生育範囲を拡大。その結果、在来植物の生態系に重大な影響を及ぼす可能性があると指摘されています。

(岡山大学 中嶋佳貴准教授)
「貴重種を保全しなければならない場所に入り込んでしまうと、オオキンケイギクの方が競合に強いので増えすぎてしまって元の植物をなくしてしまう」

オオキンケイギクを家に持ち帰ると…「最高で3年以下の懲役、または300万円以下の罰金」

そもそもオオキンケイギクは、きれいな見た目から1880年代に鑑賞用として日本に導入。その後、法面の緑化などに使用されてきました。しかしその強靭な生命力から野生化。生態系に影響を及ぼしかねないとして、2006年、特定外来生物に指定されたのです。栽培や持ち運びは法律で原則禁止されていますが、それを知っている人は多くはないというのが実情です。

(花を持ち帰ろうとしていた人)
「綺麗なのでちょっと家に飾るにはいいかな思って。」
(記者)
「これ持ち運んだら罪に…」
(花を持ち帰ろうとしていた人)
「なるん!?」
「全く知らなかったです」

RSK

違反した場合、最高で3年以下の懲役、または300万円以下の罰金が科せられるため注意が必要です。

そんななか、岡山河川事務所は毎年オオキンケイギクを刈るなどの対応に追われています。しかし、その繁殖力の高さから手がつけられず、地域の協力も必要不可欠だと話します。

(岡山河川事務所 末永敦統括保全対策官)
「オオキンケイギクを広く住民に認知してもらって、生態系が健全に戻るように官民一体でやっていく必要がある」

オオキンケイギクの繁殖をこれ以上広げないために、正しい知識と適切な処理が求められます。