ボクシングの4大タイトルマッチ(6日、東京ドーム)の前日計量が5日、都内で行われ、出場8選手は全員パスした。

 スーパーバンタム級(上限体重55・3キロ)4団体統一戦は4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)は55・2キロ、挑戦者のWBC同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)は54・8キロだった。

 18年3月に日本で行われた山中慎介(帝拳)戦で1・3キロもの大幅体重超過をしたネリの計量は試合実現への最大の関門と見られていたが、なんと500グラムを下回ってパス。計量を終えた井上とネリはピリピリムードで、関係者に制止されるまで約20秒もにらみ合った。

「もう駆け引きは始まっているので、気持ちの面からという感じ」とにらみ合いを振り返った井上。ネリが大幅に上限体重を下回ったことには、「余裕なんじゃないですか。ちゃんとしっかり準備して管理すれば。ネリもたぶん過去最高のファイトマネーをもらうだろうし、そこはしっかりやってくるだろうと、心配はなかった」と受け止めた。

 ネリが、自身は失うものがなく、メンタルの差が出るなどの発言をしていることを問われると、「背負うものがある人間とない人間の差はないと思う。失うものがないから強いのかと言えば、そうではない。そこが試合を左右することは全くない」とバッサリだ。

 最後に意気込みを問われると、「意気込みなんか今聞いてどうするんですか。やるしかないじゃないですか」とうんざりした表情を浮かべ、去っていった。