急行は、途中の大島駅で各駅停車に連絡する体系となっている。これまで急行が絶滅寸前となっていた中、費用をかけて整備した追い越し設備を活用しないのはもったいないといった声があったようだ。そこでどうすれば利用を増やせるか考えたのは都営のえらいところで、利用が少ないからと工夫も何もせずに通勤快速を廃止した千葉の赤い帯の電車とは大違いである。

都営新宿線 京王線内を走る都営新宿線の電車。同線はダイヤ改正で夕方の本八幡方面行き急行が増えた(写真:tarousite/PIXTA)

ただ、SNSなどで見られる利用者の意見では「本気で利用増を考えるなら都心部の停車駅を増やせ」との声が根強い。また、急行が増えたと言っても現状の30〜40分間隔では、たまたま急行が来るタイミングに駅にいる人しか使えない状況だ。「圧倒的、速度感。」とまで言うのなら、せめて均一20分間隔くらいで急行を運転してもらいたいものだ。一方で、日中は各駅停車のみ毎時11本だったのが10本となり、さらなる減便が行われている。

使いやすさ向上?東急新横浜線

2023年3月の開業から1年経った東急新横浜線。同線は日中1時間に2回、15分も間隔が開いてしまうダイヤだったが、今回の改正ではその開いたところを埋めるように毎時2本増発された。これは毎時8本ある日吉駅折り返しの東急目黒線各駅停車のうち2本、南北線直通系統の列車を新横浜駅まで延長運転するもので、これにより日中の新横浜方面行きは6〜15分間隔だったのが7〜8分間隔に是正された。

ST線 新横浜駅 東急・相鉄新横浜線の新横浜駅(編集部撮影)

ただ、新横浜発都心方面行きについては2〜12分間隔といういびつさだ。これには路線特有の事情がある。新横浜駅には折り返しのために列車を長時間停められる線路が1本しかなく、同駅発を均等にしようとすると1本が待機している間にもう1本折り返し列車が来てしまうため、その前に列車を出さなくてはならない。また、東京メトロ南北線の車両は新横浜駅から先の相鉄線に入れないため、同駅で折り返さなくてはならない。

ただ、それでも間隔を最大12分以内にするよう配慮した、というのが今回の改正内容である。その結果、上りは間隔がいびつでも、極力使いやすくなるような配慮がなされている。