春先から出荷量が増え、夏にかけて旬が続くそら豆。
きれいなヒスイ色をした大粒の豆は、気温が上がる時季ならではの自然の恵みですが、昔から「そら豆がおいしいのは3日間だけ」と言われるほど、鮮度が落ちやすくデリケートな野菜でもあります。

今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、新鮮でおいしいそら豆を選ぶためのポイントを教えてもらいます。

そら豆のうぶ毛、見たことがありますか?

そら豆は長さ10cmを超えるような大きなさやに入っているのが特徴ですが、そのさやの表面に、うぶ毛が生えているものを見たことがあるでしょうか。

じつは、たいてのスーパーに並ぶそら豆は、流通の過程ですっかりうぶ毛が落ちてしまい、つるつるすべすべの状態です。
そのくらい、うぶ毛は落ちやすいのでなかなか目にすることができないのですが、逆にうぶ毛が残っている状態であればかなり新鮮という証拠。

もし道の駅や産地直売所などで発見した場合は、野菜ソムリエなら即買いしたくなるレベルの一級品です。

形はぷっくり&くっきりがおすすめ

そら豆全体の形としては、豆ひとつひとつがぷっくりとしていて、さやの上からでも豆がよくわかるくらいくっきりしているものを選びましょう。

また、それぞれの豆の大きさが比較的そろっているものがおすすめです。

色味も確認しよう

新鮮なそら豆を選ぶためには、さやの色が鮮やかな緑色をしているものがおすすめ。
また、そら豆のさやには両サイドにスジが入っていますが、そのスジが茶色くなっているものよりも、緑色のままのほうが鮮度は高いです。

なお、そら豆はさやから出して豆だけの状態でパッキングされているものも売っていますが、そら豆はさやから出されてしますと急に鮮度が落ちてしまいます。
もちろん少量だけほしいという場合もあるとは思いますが、できればさや付きで丸ごと売っているものを買うようにしましょう。

たんぱく質たっぷり!栄養価の高いそら豆を味わおう

そら豆は野菜のなかでもたんぱく質の多い食材で、そのほかビタミンやミネラルも含んでいます。
茹でて食べることが多いですが炒め物も可能で、醤油や砂糖で炒め煮にすると日持ちのする常備菜にも。

さやが空に向かってぐんぐん伸びていくことから「空(そら)豆」と名づけられたとされ、これから夏にかけて旬が続きます。
ぜひ栄養価の高い旬の味覚を楽しんでください。

■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。

編集/サンキュ!編集部