マイナス金利政策を解除し、金利引き上げを決定した日本銀行。預金の金利が上がるなどの変化がある一方で懸念されているのが、住宅ローンの金利上昇だ。

【映像】なぜ「2050年までの人口動態」が重要なのか?

 不動産仲介関連サービスを提供するTERASSの江口亮介社長は今後の不動産業界の見通しについて「3月にマイナス金利が解除され、4月の新金利が発表されたが驚くべきことにほぼ上がっていない。もちろん今後さらに政策金利上がれば上がってくると予想されるが、いまは『住宅ローン大戦争時代』であり、各社が低金利を競っている」と分析した。

 各社が金利を上げづらい状況の中、マンション・戸建て共に価格の上昇が続いているという。

 「(建築業の労働環境の課題である)建築2024年問題もあり新築マンションは高値で売らなければいけない状況にあるが、金利も安いため高く売れる。戸建てに関しては若干マーケットが違うが、新築・中古マンションが高いため戸建ては割安に見え、かつリモートワークも増えているため郊外でも買いたい人が増加しており、値段も上がっている。とはいえ、上がり幅はマンションほどではない」

 つまり、戸建てが“お買い得”なのか?

 江口氏は「(戸建ては)リセールバリューが弱いと言われている。戸建てはどうしても駅から遠くなるが、今後人口は都市部に集中していく。そして基本的に木造である戸建ては鉄筋コンクリートのマンションに比べて劣化が早い。これらを鑑みると資産性が劣る部分はある。とはいえ、家は資産性だけで買うわけではない。資産性と居住性のバランスを見て意思決定してほしい」と説明した。

 金利が上がっていないことや、購入するまでの家賃を考慮すれば、決断はできるだけ早い方がいいと話す江口社長。その上で「一生に一度の買い物で後悔しないためのポイント」を述べた。

 「マンションは、立地・共有部・専有部の3要素に分解できる。立地については、住みたいエリアの人口が増え続けるのかをチェックしてほしい。市区町村の人口動態は2050年まで見ることができる。次は共用部については、管理の状況が優秀か確認してほしい。最後は専有部(自分だけのスペース)。日当たり・通風・眺望というリフォームしても変えられない部分をチェックすべきだ」
(『ABEMAヒルズ』より)