アメリカのバイデン大統領は、中国製の鉄鋼の制裁関税を現在の3倍の水準に引き上げることを検討すると表明しました。

【映像】バイデン大統領の演説

「中国は競争ではなく不正を働いている。我々はここアメリカでその被害を目の当たりにしてきた」(バイデン大統領、以下同)

 バイデン大統領は17日、USW(=全米鉄鋼労働組合)の本部があるペンシルベニア州ピッツバーグで演説し、中国の鉄鋼メーカーが政府から多額の補助金を得て、海外に不当に安く輸出していると非難しました。

 その上で、通商法301条に基づき、中国製の鉄鋼とアルミ製品の制裁関税を現在の平均7.5%から、20%を超える水準に引き上げることを検討すると表明しました。

「USスチールは1世紀以上にわたって、アメリカを象徴する企業であり、完全なアメリカの企業であり続けるべきだ」

 またバイデン大統領は、日本製鉄が買収を計画するアメリカの鉄鋼大手USスチールについて、「アメリカが所有、運営する企業であることを約束する」と述べ、買収に反対するUSWに寄り添う姿勢を強調しました。

 バイデン大統領による中国製の鉄鋼の関税引き上げの検討やUSスチールをめぐる発言は、大統領選の勝敗を左右する激戦州で、労働組合の支持を取り付ける狙いがあります。(ANNニュース)