老朽化などに伴って建て替えられた田辺市役所の新しい庁舎(和歌山県東山1丁目)で7日、業務が始まった。窓口にはさっそく多くの市民が訪れ、木のぬくもりを感じさせる内装に見入っていた。
 新庁舎は地上6階建てで、1階は耐震、2階から上は免震構造。これまで分散していた教育委員会や保健センター、水道部も集約した。
 3階に市民課や保険課、税務課、2階に子育て推進課ややすらぎ対策課、保健センターなど一般の利用が多い部署が入っている。この日は朝から、行政手続きなどのため市民が次々と訪れた。
 市内在住の70代女性は「庁舎に入った瞬間、木のいい香りがした。以前の庁舎とは全然違う雰囲気で、びっくりした」と話した。
 新庁舎3階には紀陽銀行の店舗「田辺駅前コミュニティプラザ」も移転し、この日から営業を始めた。
■開庁と結婚 W記念 夫婦で格子に焼き印
 新庁舎が開庁した7日、婚姻届を提出したばかりの夫婦に記念の「焼き印」を木製の格子に押してもらうイベントがあった。
 庁舎内には、合併前の旧5市町村から切り出したスギの角材でできた格子を数カ所に配置。それぞれの市町村章をモチーフにした焼き印を押している。
 3階の記念撮影スペース前にある木の格子については、新庁舎で婚姻届を提出した先着5組に押してもらうことにしていた。
 第1号となったのは、同市中万呂の宮下透さん(28)、綾乃さん(23)夫妻。たまたまこの日が付き合い始めた記念日で、開庁の日と重なったという。
 「結婚して最初の共同作業が、庁舎に記念として残り続けてくれるのでうれしい。いい思い出になった」と笑顔で話した。