<リゾートトラストレディス 事前情報◇22日◇関西ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇ 6545ヤード・パー72>

はたから見れば贅沢な悩みかもしれない。前週まで5試合連続でトップ5入り。並みの選手なら絶好調ともいえる成績だが、2年連続の年間女王は「目標としているところに足りていないので」と悩みと不満は募る。2週連続の2位となった前週の「ブリヂストンレディス」など優勝には届かないまま3分の1を終えたシーズン。地元・関西での今季初戦を前に山下美夢有は「勢いがない感じがする。勢いが出れば、もやもやとした気持ちもなくなる。ちょっとでも、もやもやをなくしたい」と決意をにじませた。


ツアー初優勝はコロナ禍で2020年と統合された21年の4月だった。初の年間女王となった22年の1勝目は5月8日が最終日だった「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」、23年の初優勝は4月上旬の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」。ツアー通算11勝のうち4月が2勝、5月が3勝とシーズン前半に勢いよく飛び出しているだけに、唯一欠けているピースが何かを山下自身が誰よりも分かっている。

前週に続き、今週も大会連覇がかかっている。昨年は静岡県のグランディ浜名湖GCが会場だったが、今年は大阪府出身の山下にとっては「地元感はあります」という兵庫県での開催。自身6度目となる海外メジャー「全米女子オープン」を前に今季初Vで弾みをつけたいところだ。

「ブリヂストンレディス」は4日間でボギーはわずかに4個だけだった。最終日は今季10度目のボギーなしラウンド。今季のパーセーブ率は1位の90.9402 とボギーを打たない絶対女王のスタイルは健在だが、渇望するのは「勢いをつけるのはやっぱりバーディ。最近出ていない」というビッグスコア。「グリーンは傾斜が結構強い。ラフも結構ある」と初めて回るコースに警戒しつつも今週のテーマはバーディ量産だ。

20日付の世界ランキングは2ランクアップの23位とパリ五輪代表圏内となる日本勢2番手を死守した。米ツアーを主戦場とする古江彩佳らとのし烈な代表争いも残り1カ月。パリ行きの切符を手にするためにも、いつまでもグッドルーザーに甘んじるつもりなはい。(文・臼杵孝志)


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