ペレスとマグヌッセンがスタート直後に接触、いきなり赤旗中断

 自動車レースのF1は、26日(日本時間27日未明)に今季第8戦モナコGPを行った。スタート直後にクラッシュが相次ぎ、赤旗でレースが中断される波乱の展開。後方から突っ込んできたケビン・マグヌッセン(ハース)と接触したセルジオ・ペレス(レッドブル)のマシンは壁に激突し、タイヤがもげるほどの衝撃を受けリタイアした。両者は真っ向から意見を対立させている。

 モナコは公道コースのためサーキットよりも幅が狭い。マシンが殺到するスタート直後に事件は起きた。ペレスが加速しようとしたところに、右後方からマグヌッセンが強引にマシンをねじ込みタイヤが接触。ペレスのマシンは回転してコースをふさぐ形になり、左右の壁に激突しながら止まった。マシンはタイヤが吹き飛び残骸のようになったものの、ドライバーに怪我はなかった。

 米スポーツ専門局「ESPN」は「モナコGPのクラッシュ:ペレスはマグヌッセンが調査されないことに唖然」と題する記事を掲載。レース内容の審査を行うスチュワードが調査しなかったことに、「ダメージの大きさと、そのダメージがどれほど危険だったかを考えると、非常に驚いている。かなり驚きだ。調査が行われない理由を聞く必要がある」と憮然としたペレスの発言を伝えた。

 続けて「本当に驚いている。“1周目はレースさせておけ”という方針だったが、いつか接触が起きるだろうと分かっていながら、全速力のままにしておくのは危険な運転だったと思う。危険な運転だ」とマグヌッセンを猛批判。「ケビンのマシンは私に近くもなく、横に並んでもいない」「単に両方のマシンが入るスペースはなかっただけ」とマグヌッセンに責があると主張した。

 一方、英専門メディア「ザ・レース」のXは「ケビン・マグヌッセンは、モナコのスタートでの大クラッシュはすべてセルジオ・ペレスのせいだと断固として譲らなかった」と発言を伝えている。マグヌッセンは「彼は明らかにスペースを空けていなかった」とペレスを非難。「私の前輪全体が、彼の後輪より前に出ていた。そして彼の左側には完全にクリアな道があった」と反論している。

「彼は私を壁に向かって押し込んできたんだ。一度に両方のマシンがクラッシュするのは良くない。最悪だ」と不満げなマグヌッセン。両者ともにリタイアに追い込まれ、レースはその後40分近く中断した。マグヌッセンは現在、年間のペナルティポイント累積が10に達しており、レース出場停止となる12が目前。このクラッシュでは調査はかからなかったが、後味の悪さが残った。

(THE ANSWER編集部)