顧客企業の非公開情報をグループ内で無断で共有したなどとして、証券取引等監視委員会は14日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の銀行と証券会社2社の計3社に対し、行政処分を出すよう金融庁に勧告した。

 違反行為の一部には銀行の専務執行役員や証券会社の副社長らも関わっていたという。勧告を受け、金融庁は月内にも業務改善命令などの行政処分を出すことを検討する。

 勧告対象は、MUFG傘下の三菱UFJ銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券の3社。

 監視委によると、三菱UFJ銀行の役職員が三菱UFJモルガン・スタンレー証券との間で、少なくとも10回にわたり、顧客の意思に反して、非公開情報を共有していた。一部の非公開情報については同行の専務(当時)が自ら提供していたという。モルガン・スタンレーMUFG証券にも顧客の非公開情報が共有されていた。共有された情報を使って証券2社は顧客に勧誘を行っていたという。