栃木県那須町で4月、会社役員夫妻の焼損した遺体が見つかった事件で、東京都品川区の空き家のガレージから見つかった血痕が、死亡した妻のDNA型と一致したことが捜査関係者への取材で分かった。ガレージには血痕を拭き取った痕跡があった。警視庁と栃木県警の捜査本部は、ガレージ内で夫妻が殺害されたとみて詰めの捜査を進めている。

 宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)=東京都千代田区=は4月15日夜、長女の内縁の夫で会社役員の関根誠端(せいは)容疑者(32)=東京都世田谷区=らと東京・上野から車で品川区に向かい、16日午前0時ごろに同区内の空き家を訪れた。同じ時刻に、実行役の住居、職業不詳で韓国籍の姜光紀(カングァンギ)(20)と住居不詳、元俳優の若山耀人(きらと)(20)の両容疑者が空き家を訪れ、夫妻と接触したことが判明している。

■空き家ガレージで襲撃、遺体を運んだか

 捜査関係者によると、空き家のガレージの床の血痕は、DNA型鑑定で幸子さんのものと判明。血痕は洗剤で拭き取ったような跡があり、ガレージ内には血がついたぞうきんが入ったポリ袋が残されていたという。捜査本部は実行役らがガレージ内で夫妻を襲った後、証拠隠滅を図り、栃木に遺体を運んだとみている。

 捜査本部は、夫妻と飲食店経営でのトラブルを抱えていた関根容疑者が、報酬を提示して住所、職業不詳の佐々木光容疑者(28)に事件を指示したとみている。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)