岡山県精神科医療センター(岡山市北区)は11日、ランサムウェア(身代金ウイルス)とみられるサイバー攻撃を受け、患者の個人情報が流出したと発表した。流出した可能性があるのは最大約4万人分で、氏名や生年月日、市町村までの住所、病名など。現時点で不正利用は確認されていないとしている。県警が、不正アクセス禁止法違反などの疑いで調べている。

 同センターによると、5月19日、電子カルテなどを扱う情報システムに障害が発生。電子カルテが見られなくなり、データが暗号化されるなどしていたため、翌20日、県警に被害届を出した。6月7日、県警から連絡を受け、患者情報の流出を確認。受診があった約10年分の患者情報に及ぶ恐れがあるという。

 個人情報は情報システム内の共有フォルダーに保存されていた。紙のカルテなどを使って診療は継続できているという。より詳細な情報が記された電子カルテが流出したかは「調査中」としている。

 この日、県庁で会見した山田了士理事長は「患者やご家族、関係者に多大なご心配やご迷惑をおかけし深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 個人情報の流出を受け、同センターは相談窓口を設置。6月13日までは086・224・5051(午前9時〜午後5時)、14日以降は0120・131・601(同)へ。(上山崎雅泰)