江戸時代に朝鮮王朝が派遣した外交使節団「朝鮮通信使」の復元船が8月24〜25日に山口県下関市で開催される「馬関まつり」に合わせて、「260年ぶり」に来航することになった。「朝鮮通信使行列再現」の下関開催20周年を記念したもので、市はシンポジウムも企画している。

 釜山文化財団によると、復元船は全長34メートル、幅9・3メートル、高さ3メートル。総トン数149トンで、乗船人数は72人。韓国の国立海洋遺産研究所が史料をもとに2015年から学術研究を始めた。約21億5千万ウォンの費用をかけて18年に復元が完成した。

 朝鮮通信使は、豊臣秀吉の朝鮮出兵で断絶した国交を回復させるため、朝鮮王朝が1607年から派遣した。1811年までに12回来日した。そのうち、下関へは1764年の来航が最後で、今回が「260年ぶりの来航」となる。

 同財団の計画では、長崎県の対馬・壱岐などに立ち寄り、「馬関まつり」までに下関に来航する予定。

 また、「朝鮮通信使と下関に関するシンポジウム」が8月23日に、韓国伝統芸能の鑑賞や船内見学などの行事が24、25日に予定されている。

 市は馬関まつりの「朝鮮通信使行列再現」(24日)で、通信使の衣装を着て行列に参加する人や、行列をサポートするボランティアを募集している。申し込み締め切りは7月5日。問い合わせは市文化振興課(083・231・4691)。(白石昌幸)