能登半島地震から半年となる1日、津波の被害を受けた新潟県上越市のなおえつ海水浴場で今季の安全を願う祈願祭があった。浜茶屋(海の家)の小屋が壊れ、資材が流されるなどしたが、13日の海開きに向けて準備が進む。

 なおえつ浜茶屋組合の桑原尚二組合長(59)は「期待もあるが不安の方が大きい。安心して来てもらえるように態勢を整えたい」と話した。

 地震翌日の1月2日、桑原さんは現場を見た。資材はすべて流され、一部はゴミなどと一緒に周辺に散乱していた。「壊滅状態、もう無理だ」と一時は心が折れたという。それでも地元住民らの励ましを受けて再び客を迎える見通しがつき、「協力してくれた方々に感謝しかない」。

 同組合所属の海の家は7軒が被災し、組合によると、被害総額は約1億円。今夏はうち2軒が資金繰りなどから営業を見合わせるという。

 上越市は津波対策を強化する。13日に間に合うよう、浜に面する市道から一段高い所にある県道に上れる避難階段2本(高さ10メートルと15メートル)の設置を進めている。

 同海水浴場では、津波が地上を駆け上がった高さ(遡上(そじょう)高)は4.5メートルだったと気象庁の調査で確認されている。

 客の7割が長野・群馬両県からという同海水浴場。8月18日の最終日は震災復興を願う花火大会も催すという。(北沢祐生)