第106回全国高校野球選手権群馬大会(群馬県高校野球連盟、朝日新聞社主催)の組み合わせ抽選会が14日、前橋市の昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)であった。大会に参加する64校59チームの組み合わせが決まった。大会は7月6日に開幕する。

 試合があるのは上毛新聞敷島球場(前橋市)、高崎城南球場(高崎市)、小倉クラッチ・スタジアム(桐生市)の3カ所。開会式は6日午前8時5分から上毛敷島であり、同9時半からの開幕試合は勢多農林と藤岡北が対戦する。決勝は27日に同球場で予定されている。

 今春の選抜高校野球大会王者で、春季県大会で優勝した健大高崎は、第1シードとして勢多農林と藤岡北の勝者と対戦する。健大高崎の箱山遥人主将は「周りから注目されていることは間違いないと思うし、ほかの高校も自分たちを倒しにくると思う。どこが相手でも一試合をやりきる、そういう積み重ねで優勝できたら」と語った。

 昨夏の群馬大会で優勝し、春季県大会では準優勝した前橋商は第2シードで、渋川工と市太田の勝者と対戦する。前橋商の小池絆主将は「一戦一戦、目の前の試合を戦い抜くことが目標。そこで勝ちきることが甲子園に行くために必要なので、そこで日々の練習を生かせればと思う」と意気込んだ。

 入場料は大人700円、高校生は写真付き身分証明書を提示すれば100円、中学生以下無料。入場券は球場窓口で販売する。(中沢絢乃)

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 「引いたらどうしよう」。富岡実の佐藤理星(りせい)主将は、急な緊張を感じていた。組み合わせのくじを引く順番を決める予備抽選なので、「まだ本番じゃない」と思っていたが、「1」を引くと選手宣誓を務めることになる。封筒を選び中のカードを取り出すと、目に入ったのは「1」。「頭が真っ白。まだ実感がないです」

 それでも、すでに込めたいメッセージは頭に浮かんでいる。「小さい子たちが『野球やりたいな』って思えるような言葉にしたい」。これから両親や部長、チームメートと相談して考えたいという。

 イメージしているのは、昨年の群馬大会での桐生第一の主将による選手宣誓だ。「堂々としていて、かっこよかった。最初の声が肝心だと思うので、しっかり練習したい」(杉浦達朗)

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 9人の選手がそろわず複数校で結成する連合チーム。今夏は新たに「榛名・下仁田・藤岡工」の3校が連合を組んだ。

 チームを引っ張るのは、榛名の関口空主将。榛名は昨年、一昨年と単独チームで出場したが、この夏はメンバーがそろわなかった。「単独で出られないのは悔しいけれど、僕らの底力を見せたい」と笑顔で語った。

 平日は各校でそれぞれ独自に練習しており、3校が集まれるのは土、日曜日の2日間だけ。「でも、団結力は負けません。いろいろな個性が集まっているのも、連合チームの強みです」

 1年生の夏から試合に出場してきた関口主将。しかし、まだ公式戦での勝利がない。「この仲間たちと1日でも長く戦い続けたい。みんなで夏の勝利を追いかけます」

 今夏はほかに「前橋西・四ツ葉学園・玉村・尾瀬」の4校も連合を組む。(抜井規泰)