米軍とフィリピン軍は6日、フィリピン最北部の南シナ海沿岸で海上への実弾射撃演習を行った。今回の演習場所は、フィリピンと中国が領有権を争うスカボロー礁や、米中対立の火種になっている台湾南端の恒春半島まで約400キロに迫る場所で、中国への牽制(けんせい)を念頭においたものとみられる。

 両軍は4月22日から、1万6千人超の規模の定例軍事演習「バリカタン」を実施している。

 6日の演習場所に選んだのは、南シナ海に面したルソン島最北部にある北イロコス州ラオアグの砂丘。自走榴弾(りゅうだん)砲などを使用し、沖合に設置した目標物を撃破していった。海面からは、轟音(ごうおん)とともに水柱が上がった。

 終了後、米軍のセダホルム司令官は「島の防衛」を想定した演習だと説明。「制海権の確保などを確認し、即応性や相互運用性の向上を示すことができた」と評価した。