山形市在住の翻訳家・横山和江さん(56)が、性的少数者(LGBTQなど)をテーマにした絵本を翻訳しようと、クラウドファンディングで資金を募っている。絵本が、子どもたちがLGBTQなどについて知り、受けいれるきっかけになればと願う。5月29日まで。

 翻訳をめざす絵本は「ジュリアンとウエディング」(ジェシカ・ラブ作)。女性カップルの結婚パーティーに、ジュリアンとおばあちゃんが出席するお話だ。

 「ジュリアンとウエディング」は、同じくLGBTQなどがテーマで、人魚に憧れる少年・ジュリアンの姿を色彩豊かに描いた「ジュリアンはマーメイド」の続編。「ジュリアンはマーメイド」の表紙の絵やあたたかいストーリーにほれこんだ横山さんが翻訳を手がけ、日本では2020年に出版された。

 好評だったため、続編の翻訳にも取り組むことに。「ウエディング」の出版のため、3月にクラウドファンディングを始めた。今月29日締め切りで、目標は130万円。9日時点で達成率は約60%。資金は翻訳にかかる費用や宣伝などに使う。

 「同性婚を扱った子ども向けの絵本はあまりなく、『すてきだな』『楽しそう』と自然に受けいれてもらえたらいいなと思います」

 登場人物のしぐさが表現豊かで、何度見ても楽しめるという。

 支援額によって、図書館や学校に寄贈できるコースもある。詳しくは「グリーンファンディング」のサイト(https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/8149)で。(ライター・板垣美加)