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昨季はセ・リーグ2位となった広島東洋カープ。今季は2018年以来のリーグ優勝を狙うシーズンになる。そのためには若手の台頭が求められるが、その一方で出場機会に恵まれない選手や、本来のポジションで起用されない選手も少なくない。ここでは、他球団であれば主力となり得る選手を紹介したい。
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中村奨成
・投打:右投右打
・身長/体重:181cm/84kg
・生年月日:1999年6月6日
・経歴:広陵高
・ドラフト:2017年ドラフト1位
捕手としてプロ入りするも、一学年上の正捕手・坂倉将吾の存在もあって、今季から外野手登録となった中村奨成。チームでは厳しい立ち位置にいる。
広陵高では3年夏の甲子園に出場し、大会記録となる6本塁打を放つ打棒を発揮。一躍注目の的となり、準優勝の原動力となった。
迎えたドラフト会議では、高校生捕手初となる1回目の入札で競合となり、2球団が1位指名。抽選の結果、広島東洋カープへの入団が決まった。
ルーキーイヤーからファームで経験を積み、高卒3年目の2020年に一軍デビュー。翌2021年は外野にも挑戦し、39試合の出場で打率.283、2本塁打、5打点、3盗塁と能力の一端を示した。
しかしその後は、坂倉や會澤翼の存在もあり、思うような出場機会を得られず。昨季はファームで38試合出場し、打率.323、3本塁打、10打点、OPS.925の好成績を残したが、一軍では18試合の出場で打率.150と苦しんだ。
今季から外野手登録となり、3月31日には一軍に昇格。しかし、結果を残せずに再びファーム降格となった。勝負のシーズンとなる今季は、一軍で結果を残したいところだ。
羽月隆太郎
・投打:右投左打
・身長/体重:168cm/73kg
・生年月日:2000年4月19日
・経歴:神村学園高
・ドラフト:2018年ドラフト7位
168センチと小柄ながら、走攻守で高い能力を持つ羽月隆太郎。ここまで先発出場の機会をなかなか得られず、途中出場がメインとなっている。
神村学園高から2018年ドラフト7位で広島東洋カープに入団。ルーキーイヤーからファームで89試合に出場し、打率.300、23盗塁と俊足巧打の活躍を見せた。
高卒2年目には早くも一軍の舞台を経験。翌2021年には一軍で39試合に出場し、打率.255、1本塁打、11打点、6盗塁と少ない出場機会ながら存在感を示した。
しかし、本職とする二塁には菊池涼介がレギュラーに君臨。外野守備にも挑戦したが、その後も思うようにスタメンの機会は得られなかった。
昨季は代走や守備固めを中心に、自己最多の50試合に出場。打率は.149と低調な数字に終わったが、持ち味を活かし14盗塁をマークした。
今季も開幕から一軍に定着しているが、ここまで出場機会が限られている。”足のスペシャリスト”から”レギュラー”へと昇格できるか注目だ。
中村健人
・投打:右投右打
・身長/体重:183cm/97kg
・生年月日:1997年5月21日
・経歴:中京大中京高 – 慶応大 – トヨタ自動車
・ドラフト:2021年ドラフト3位
ルーキーイヤーには63試合に出場した中村健人。しかし、昨季はまさかの一軍出場なしに終わった。
慶応大では、3年秋のリーグ戦で本塁打王(5本)に輝くなど強打者として活躍したが、ドラフト指名漏れを経験。
それでも、社会人野球の名門・トヨタ自動車で4番打者として活躍し、2021年ドラフト3位で広島東洋カープに入団した。
ルーキーイヤーは開幕一軍スタートを果たすと、左投手の先発時には積極的にスタメン起用され、63試合に出場。同年は打率.240、3本塁打、10打点とまずまずの数字を残した。
ところが、昨季は打撃の状態が上がらず、一軍出場なし。ファームで83試合に出場したが、打率.205、3本塁打、25打点と低調な数字に終わった。
今季は、西川龍馬がオリックス・バファローズにFA移籍したことで、レギュラー奪取が期待されたが、オープン戦では打率.152(33打数5安打)、1本塁打、2打点と物足りない数字に。
現在、ファームでもいまひとつの状態である中村健。持ち味の打撃を取り戻し、再び一軍の舞台で躍動したい。
高橋昂也
・投打:左投左打
・身長/体重:182cm/95kg
・生年月日:1998年9月27日
・経歴:花咲徳栄高
・ドラフト:2016年ドラフト2位
高校時代には“BIG3”の一角として注目された高橋昂也。プロ入り当初は光るものを見せていたが、近年は低迷したシーズンが続いている。
花咲徳栄高時代では高校日本代表に選出されるなど、世代を代表する左腕として君臨。2016年ドラフト2位と高い評価を受けて、広島東洋カープに入団した。
高卒1年目はファームで過ごし、翌2018年に一軍デビュー。6試合登板で1勝2敗、防御率9.43と打ち込まれたが、ファームでは13試合登板で4勝3敗、防御率3.18、奪三振率10.59と潜在能力の高さを示していた。
2019年に左肘靭帯再建手術(通称:トミー・ジョン手術)を受けて長らく戦列から離れたが、2021年に本格復帰。同年は一軍でも15試合に登板した。
しかし、翌2022年、昨季と2年連続で一軍登板はなし。特に昨季は、ファームでも12試合登板で防御率8.46と、厳しい数字に終わった。
チームは近年、高卒投手の育成に苦戦している。今季で26歳を迎える高橋だが、そろそろ一軍の戦力となりたいところだ。
玉村昇悟
・投打:左投左打
・身長/体重:179cm/85kg
・生年月日:2001年4月16日
・経歴:丹生高
・ドラフト:2019年ドラフト6位
昨季まで2年連続開幕ローテーション入りしていた玉村昇悟。しかし、今季は開幕ローテーションから漏れた。
2019年ドラフト6位で広島東洋カープに入団し、高卒2年目の2021年に一軍デビュー。同年は17試合登板で4勝7敗、防御率3.83とまずまずの数字を残した。
しかし、その後は登板機会を増やせず。昨季は9試合の登板にとどまり、3勝1敗、防御率4.96という結果に。それでも、同年は奪三振率8.74を記録するなど、光るものを見せた。
今春は先発6人目の枠をかけて、チーム内で熾烈な競争が繰り広げられた。オープン戦では2試合に先発登板し、防御率1.13の好成績を残したが、アドゥワ誠に開幕ローテーションの座を譲った。
現在はファームで調整中だが、安定した投球を見せている玉村。一軍昇格の日も、近いのかもしれない。
遠藤淳志
・投打:右投右打
・身長/体重:186cm/89kg
・生年月日:1999年4月8日
・経歴:霞ヶ浦高
・ドラフト:2017年ドラフト5位
高卒2年目に一軍で結果を残し、将来の活躍を予感させていた遠藤淳志。ただ、近年は伸び悩んでいる。
霞ヶ浦高から、2017年ドラフト5位で広島東洋カープ入りした遠藤。高卒2年目の2019年に一軍に昇格すると、34試合の登板で1勝1敗1セーブ6ホールド、防御率3.16の好成績を残した。
翌2020年には先発に回り、19試合登板で5勝6敗、防御率3.87。完投も2度記録するなど、ローテーションの一角として強い存在感を放った。
しかし、昨季は4月にプロ初完封勝利を挙げたものの、最終的にこの1勝どまり。同年は8試合登板で1勝5敗、防御率4.39に終わった。
今季、チームでは九里亜蓮、床田寛樹、大瀬良大地、森下暢仁の先発4本柱が確立。さらに、新助っ人のトーマス・ハッチが加わり、先発ローテーションの争いが激化している。
開幕一軍入りは逃したが、ファームで結果を残して一軍昇格のチャンスを覗いたい。
【了】