◆ 延長12回粘るもドロー

 ヤクルトは30日、神宮球場で中日と対戦し、延長12回の末に1️−1の引き分けに終わった。

 先発の吉村貢司郎はオープン戦では2勝1敗、防御率1.35と好結果を残してきた。開幕2戦目の先発を任された2年目右腕は、150キロを超えるストレートに加え、フォーク、スライダーなどを駆使して中日打線を7回6安打1失点に抑えた。

 3回に先制を許してしまい「先制点を与えないように粘り強く投げていたんですが、先制点をあたえてしまって悔しかった。気持ちを切り替えて粘り強く投げました」という吉村。

 その好投に応えたい打線は中日先発の涌井秀章を攻めきれずにいたが、8回に松山晋也から二死一・二塁の好機をつくり、ホセ・オスナが中堅への適時打を放って同点とする。

 前夜に続いて終盤に追いつく展開となり、リリーフ陣も粘りを見せた。吉村の降板後、7人の継投で最後は延長12回に木澤尚文が三者凡退に抑えた。その裏の二死、ライデル・マルティネスから村上宗隆が二塁打を放ったが、宮本丈が一ゴロに終わりゲームセット。

 髙津臣吾監督は試合後「まさに総力戦」と振り返り、吉村については「変化球の抜ける球も少なかったですし、指にかかったボールは非常に多かった。スピードも最後まで落ちなかったですし、非常にいいピッチングだった」と評価した。


取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ