松田啄磨

 突如回ってきた大役をしっかり務めた。4月13日のロッテ戦(楽天モバイル)。先発予定の荘司康誠が体調不良のため登板を回避。その代役として松田啄磨がプロ初先発を果たした。

初回、緊張からか制球が乱れ、先頭打者に四球を与えると、二盗を許した末に右前打を浴び無死一、三塁。ソトの中犠飛で先制点を献上した。出鼻をくじかれた格好となったが、ここからしぶとかった。「ソトの犠牲フライでだいぶ落ち着けた。それ以降はテンポよく投げられた」。

 2回は丁寧に低めを突いて三者凡退。3、4回はともに1安打を許したが、後続を断った。直球は140キロ台ながら、カットボールにカーブを織り交ぜ試合を作った。荘司が先発回避した緊急事態の中、チームは延長12回引き分けに持ち込んだ。

 ドラフト5位のルーキー。186センチの右腕は土壇場に強い。オープン戦では、右膝に違和感を抱えた荘司に代わり緊急登板。また3月30日の西武戦(楽天モバイル)では先発した荘司が4回5失点で降板。5回から二番手でマウンドに上がると、2回を投げ3安打無失点の粘投。3四球と制球に苦しんだが、記念すべき一軍初登板を無失点で切り抜けた。

 岸孝之の握りを参考にしたという大きく縦に割れるカーブと、小さく変化するカットボールが武器だ。春季キャンプから一軍に帯同し、オープン戦は5試合に登板し防御率1.80。今江敏晃監督から「必要な存在」と高く評価された。主戦場は中継ぎとなりそうだが、いざとなれば先発もこなせる一人。一つ一つ課題を克服しながら、存在価値を高めていく。

写真=BBM