5月10日に有明コロシアムで「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24」クォーターファイナル第1戦が行われ、西地区2位の琉球ゴールデンキングスが東地区2位のアルバルク東京と対戦。81−80でダブルオーバータイムに及ぶ大激戦を制し、セミファイナル進出に王手をかけた。

 50分間の試合に終止符を打ったのは岸本隆一だ。2点ビハインドで迎えた試合終了残り9.3秒、アレン・ダーラムからパスを受けると、3ポイントシュートを試投。安藤周人越しに放った一撃はネットを揺らした。

「前が空いたらいくべきだと思っていましたし、あの状況下では迷いが一番良くないと思っていました。あの瞬間、決められる自信があったというか。AD(ダーラム)がキックアウトしてくれて、打ちやすい状況を作ってくれたと思っているので。シンプルにチームのオフェンスとして打てました」

 琉球はレギュラーシーズン第35節で、西地区優勝を争う名古屋ダイヤモンドドルフィンズに連敗。最終節の結果、順位が入れ替わって優勝を逃すと同時に、クォーターファイナルのホーム開催権をも失った。

「メンタル的な部分で言えば、吹っきれた」と明かした岸本は、「自分たちはレギュラーシーズンで守ってきたものをたくさん手放してしまって、もう手放しようがないというか。個人的には当たって砕けろだと思っていたので」とコメント。50分間で相手を80得点に抑えたことにも触れ、「相手にやられる場面があっても、モーメンタム(勢い)を作らせない。徹底して同じプレーを続けさせたことが、最終的にはいい方向にいったのかなと。ディフェンスで自分たちの自信を取り戻すゲームになったかと思います」と振り返った。

 4日前に決まったアウェイゲームにも関わらず、多くのファンが有明コロシアムに集結してチームを後押し。琉球一筋のシューターは「ありがたいことです。最後に自分が決めたあとの歓声はもちろん届いていました。特に苦しい時間帯、今日の試合に来てくれた方々の歓声は僕たちを奮い立たせたと思っています。明日も応援というより、一緒に戦っていただく気持ちで、自分たちもそれにしっかりと応えていいゲームにつなげられたらいいと思います」と、ファンへの思いを口にした。

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