「20世紀のクルマとバイク」というくくりで、さまざまなメーカーやジャンルの乗りものが集まるイベント『20世紀ミーティング(2024春季)』が、2024年4月14日に新潟県三条市「パール金属スタジアム」で開催されました。

開催4年目にして約1万人もの来場者が

「20世紀のクルマとバイク」というくくりで、さまざまなメーカーやジャンルの乗りものが集まる『20世紀ミーティング(2024春季) クラシックカー&バイクの集い』が、4月14日(日)に新潟県の「パール金属スタジアム」(三条市総合運動公園・市民球場)駐車場で開催され、県内外からクルマ139台、バイク39台の出展車両が集まり、満開の桜の下、約1万人もの観覧客で賑わいました。

国産・輸入車、年式やカテゴリーにとらわれない自由な出展が魅力の「20世紀ミーティング」は、老若男女問わず楽しめるイベントだ(写真/小林ゆき)
国産・輸入車、年式やカテゴリーにとらわれない自由な出展が魅力の「20世紀ミーティング」は、老若男女問わず楽しめるイベントだ(写真/小林ゆき)

 主催は、三条市でクラシックカーやバイク、ありとあらゆる家電や生活用品、雑貨を展示する体験型文化施設の「KYOWAクラシックカー&ライフステーション」を母体とする20世紀ミーティング実行委員会です。

 開催地の三条市は、お隣の燕市と並んで江戸時代から金物などの“ものづくり”が盛んな地域で、アウトドア用品で知られるスノーピークやキャプテンスタッグのパール金属、暖房器具のコロナ、ホームセンターのコメリなどの本社や創業地でもあります。

 このイベントの初開催は、コロナ禍の2021年でした。当初は「5ナンバーミーティング」という名称で「KYOWAクラシックカー&ライフステーション」の駐車場に60台ほどを集めたイベントだったそうです。

 それが年々参加者が増え、4年目となる今回は車両展示申し込みのキャンセル待ちが出るほどの人気イベントに成長しました。

 開催当日はテレビ新潟(TeNY)の「おかわり!新潟一番サンデープラス」が生中継するなど、メディアの関心も高まっています。

バイクの部には「ZII(ゼッツー)」をはじめとするカワサキの「直4」が勢ぞろいした(写真/小林ゆき)
バイクの部には「ZII(ゼッツー)」をはじめとするカワサキの「直4」が勢ぞろいした(写真/小林ゆき)

 また会場では「能登半島地震義援金」の募金活動が行なわれ、三条市社会福祉協議会を通じて7万6112円が石川県共同募金会に寄付されました。

 バイクの部の展示は、古いものでは1957年式の目黒製作所「メグロジュニア」や1963年式のホンダ「スーパーカブC105」、1977年式のカワサキ「ZII」、1980年式のヤマハ「タウニー」、1985年式のOMER(オマー)「TANGA(タンガ)」、2006年式(発売開始は2000年)のカワサキ「Ninja ZX-12R」まで、さまざまな年式やカテゴリーのバイクが展示されました。

 車両の配置は歴史や系譜をなぞることができるようになっており、さながら青空博物館の様相を呈していました。例えば「ZII」、「KZ1000 MKII」、「ゼファー750」、「GPZ900R」など、カワサキのマルチエンジンの列であったり、ホンダの1963年式「スーパーカブC105」、1964年式「スーパーカブC100」、1970年式「モンキー(リジッド)」、1978年式「モンキー」、1995年式「モンキー」など、カブ系横置きエンジンの列、それに1957年式「メグロジュニア」、1963年式「カワサキメグロSG」、1971年式「W1S」といったカワサキのバーチカルツインの列などです。歩いているだけでバイクの進化の歴史がなぞれるようになっていました。

前回開催地とは異なり、今回は「三条パール金属スタジアム駐車場」に場所を移しての開催。ちょうど桜が満開となり、絶好のお花見日和でもあった(写真/小林ゆき)
前回開催地とは異なり、今回は「三条パール金属スタジアム駐車場」に場所を移しての開催。ちょうど桜が満開となり、絶好のお花見日和でもあった(写真/小林ゆき)

「20世紀ミーティング」の一番の特徴は、クルマやバイクを展示するだけでなく、MCの進行によりオーナーが愛車紹介をしながら実際にエンジンをかけて、当時の音や匂いをリアル伝える「ブリッピング」を行なうことです。

 クルマの部のMCは、クルマ好きの片桐さん、そしてセリカ好きの杉山一美さんが担当。バイクの部は筆者(小林ゆき)が担当しました。

 キックスタートのバイクも多く、中には始動に手こずる参加者もいましたが、観衆の応援もあって無事にエンジンがかかると大きな拍手が沸いていました。

 若い参加者も多く、ほまれさん(25歳)は1985年式のヤマハ「SRX-4」で参加。お祖父様の背広を着てファッションも80年代風にキメていました。

 会場ではフリーマーケットも同時開催し、東京から1963年式のホンダ「スーパーカブC105」で参加したOZAWAさんは大量のパーツリストやビンテージパーツを携えて出店。参加者や観覧者たちと情報交換に熱が入っていました。

テレビ新潟(TeNY)の「おかわり!新潟一番サンデープラス」が生中継でイベントを紹介。20世紀ミーティング恒例“ブリッピング”も生中継された(写真/小林ゆき)
テレビ新潟(TeNY)の「おかわり!新潟一番サンデープラス」が生中継でイベントを紹介。20世紀ミーティング恒例“ブリッピング”も生中継された(写真/小林ゆき)

 実行委員会の主体となっている「KYOWAクラシックカー&ライフステーション」からは、代表の松井義敬さんが高校生のときにレストアしたという1977年式のカワサキ「Z750D FOUR(ZII)」、通称「ゼッツー」をピカピカにレストアして展示しました。

 この車両は「KYOWAクラシックカー&ライフステーション」に常設展示されているだけでなく、なんと有料で公道を試乗できるとのこと。

 主催者代表でもある松井さんは、「三条のものづくり文化を遺し伝えるためにも、イベントをますます盛り上げていきたい」と語りました。

 参加するのも観覧するのも楽しい「20世紀ミーティング」。次回は10月13日(日)「ミズベリング三条」にて開催予定です。