昭和初期に反戦を訴えた県出身の川柳作家、鶴彬(あきら)(1909〜38年)をしのぶ「鶴彬つつじ祭」が17日、鶴の句碑がある金沢市末広町の卯辰山玉兎(ぎょくと)ケ丘で開かれた。

 全日本川柳協会(大阪市)常任幹事の岩原茂明さん(75)が主催し、毎年実施。有志十数人が参加した。

 高松村(現かほく市)出身の鶴は軍隊や戦争を批判する川柳を詠み、危険思想があるとみなされて、37年に治安維持法で摘発された。獄中で赤痢を発症するなどし、29歳の若さでこの世を去った。

 参加者は自作の句や花を供えた後、戦争で亡くなった親への思いなどを語って鶴をしのんだ。岩原さんは「戦争を防ぐために私たちができることは団結だ」と参加者に語りかけた。(西浦梓司)