白滝治郎の流れとともに(127)

 3月27日、岐阜市の岐阜県水産会館で岐阜県主催の「持続的な漁協経営に関する勉強会」が開催された。この催しは、釣り人減少や高齢化など、昨今の漁協が抱える問題点脱却の糸口になることを期待し、新たな遊漁者を呼び込むための漁場作りについて模索するというものだ。

 最初にグローブライド(ダイワ)の前山さんから「釣具メーカーによる新たな漁場づくりへの期待と展望」と題し、全国的に見た釣り業界の現状を示しながらアユイング(アユのルアー釣り)がもたらす恩恵や友釣りとの関係、さらには今後の展望についての基調講演があった。続いて岐阜県水産振興室長の桑田さんから「岐阜県の新たな遊漁者を呼び込むための漁場作り支援策」について状況報告があった。

 事例紹介では鮎川ナオミさんが「岐阜県におけるアユルアー漁場利用と今後の課題」と題して発表した。詳細は10日付の鮎川さんの本紙記事をご覧いただきたい。高原川漁協参事の徳田さんからは「持続的な漁場管理を目指した渓流魚の尾数制限の取り組み」について渓流魚の増殖手法など科学的根拠を示しながら事例紹介があった。

 今回の勉強会には岐阜県内の漁協関係者のみならず三重県内水面漁連、大手釣具販売店やフィッシュパス、つりチケといった電子遊漁券取り扱い各社など幅広い釣り業界関係者の参加があった。内水面の釣りに関する業界がひとつのチームとしてお互いに協力しながら釣りの振興という目標に向かっていく足掛かりとなった勉強会だった。今後に向けて大変有意義なものであり、開催いただいた岐阜県には心から感謝する。

 (岐阜県郡上市在住、隔週土曜日に掲載)