◇競馬コラム「馬産地インサイ道」

 今年から創設された「3歳ダート三冠競走」。その1冠目となる羽田盃に出走するのが、前哨戦となる雲取賞を勝利したブルーサン(牡3歳、栗東・川村)である。

 ブルーサンを生産したのは北海道新冠町の小泉牧場となる。生産馬では1992年の阪神3歳牝馬Sを制したスエヒロジョウオー以来となるG1級競走での勝利が期待される。

 「ここまで9戦を戦ってきていますが、牧場時代から丈夫な馬でした」と話すのは小泉賢悟会長。父のモーニン(牡12歳)は、新冠町内にある優駿スタリオンステーションの繋養種牡馬となる。

 小泉会長も産駒の活躍を信じて、繋養初年度から良質な繁殖牝馬を配合相手に選んできた。

 「昨年デビューをしたモーニンの産駒は、地方競馬を中心に、早い時期から勝ち名乗りをあげてくれました。セリでも活発な取引が行われているように、生産界を活気づけてくれたとも思います」と小泉会長。その中でもダートグレードを沸かせるブルーサンの活躍は、モーニンの種牡馬としての評価を、さらに高めたと言えそうだ。

 「2勝目が強い勝ち方だっただけに、雲取賞もハナを奪っていけるようならば、勝ち負けになると思っていました」と話す小泉会長の期待通りに、ブルーサンは直線に入ってからの脚色も衰えることなく、見事な逃げ切り勝ちを決めた。

 「羽田盃は雲取賞と同じ条件でのレースだけに、十分チャンスがあると思っています」と小泉会長。羽田盃でもレースの主導権を奪っていけるようだと、牧場に32年ぶりとなるビッグタイトルが近づいてくる。