◇28日(日本時間29日) 大リーグ ブルージェイズ1ー3ドジャース(ロジャーズセンター)

 ドジャースの大谷翔平選手が28日、敵地でのブルージェイズ戦に「2番・DH」で出場し、4打数無安打で3試合ぶりのノーヒットに終わった。打率は3割3分6厘。チームは1ー3で敗れて、連勝は「6」でストップした。

 最大の見せ場は2点を追う8回無死二、三塁。安打が出れば同点、一発なら逆転という場面だった。相手は先発のゴーズマンのバトンを受け継いだ2番手の右腕ガルシア。大谷は初球のボール球の内角速球に手を出してファウル。続く2球目、またもや見逃せばボールという内角高めの97.1マイル(156キロ)速球を打ち上げて二飛に倒れた。ブーイングを飛ばしていたファンから大歓声が上がる。続くフリーマンが敬遠の後、後続も打ち取られ、反撃の芽はしぼんだ。

 打率3割3分6厘に対して、得点圏打率は34打数6安打、1割7分6厘。先週のホームスタンドでは、ロバーツ監督と得点圏の打席について話し合い、監督から得点圏ではストライクゾーンが広がっていると指摘を受けた。助言を受けた本人は得点圏でも「(アプローチを)変えない」と話した。

 だが、この日は力が入ったか、それとも相手バッテリーに攻められることが多い内角を待っていて飛びついたのか。結果的にボール球にバットを出して凡退。試合後、米記者から「得点圏でゾーンが広がっていたのでは」と質問されたロバーツ監督は「おそらく少しボール球だったと思うが、彼なら打てると思った。だが、打ち損じた。それが野球だよ」とかばった。

 ドジャースはプレーオフを目指すチームではない。プレーオフで勝ってワールドシリーズ王者を目指すチームだ。「ここぞ」で打つかどうかが全て。昨年はプレーオフ初戦のダイヤモンドバックス戦で3連敗。ベッツ、フリーマンは全く打てず、批判を浴びた。大谷が入って否が応でも期待は高まっている。まだシーズンは始まったばかり。ここから、大谷が得点圏で打ちまくり「勝負強い男」のイメージをつけたい。