◇3日 春季近畿地区高校野球大会大阪府予選・4回戦 大阪学院大高9―8履正社

 プロ注目の今坂幸暉(ともき)遊撃手(3年)を擁する大阪学院大高が昨夏の大阪覇者・履正社にサヨナラ勝ちで5回戦進出を決めた。「3番・遊撃」の今坂は一挙5得点した3回の無死満塁で左翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち、2点差に迫られた4回は中前タイムリー。5打数2安打、2打点で貢献した。

 阪神、巨人、オリックスなど6球団のスカウトら9人が視察するなか、主将の今坂がチームを引っ張った。7回は大飛球を中堅手に捕られたものの、試合会場には中堅128メートルに移動式ネットを設置されており、同校の辻盛英一監督は「あれは今坂がかわいそうでした。125メートルぐらい飛んでましたから。中堅122メートルの球場なら入ってますよ」と話す。今坂は左翼フェンス直撃の二塁打も含めて「一瞬いったかなと思いました」と残念そうだった。

 吉田正尚外野手(レッドソックス)の打撃を目標とする今坂は、山口県下関市出身で178センチ、78キロの右投げ左打ち。50メートル走は5秒8という俊足で、遠投115メートルの強肩だ。高校通算本塁打は8本。「自分のアピールポイントは走攻守どこも欠けていないこと」と胸を張る。

 巧打とパワーも確認したオリックスの谷口悦司スカウトは「打撃の内容が良かったですね。中飛も普通の球場ならホームラン。瞬発力があって、走力もある。守りではエラーもありましたが、外野からの返球をカットして、一塁をオーバーランした打者走者をアウトにしようと一塁へ投げた。視野の広さもあります」と評した。

 昨秋は大阪偕星学園に6―7と惜敗し、今春センバツへの道を断たれた。その悔しさを胸に、今坂は「みんなについてきてもらうのではなく、横一列で取り組んできた」と話す。勝ち進めば、準々決勝で大阪桐蔭とぶつかる可能性もある。目指すは春の王者。「これからは(大阪)学院の時代というのをみんなに見てもらいたい」と意気込んだ。