パリ五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権1万メートルは3日、静岡県袋井市の静岡スタジアムで行われ、男女ともにパリ五輪の参加標準記録(男子27分0秒00、女子30分40秒00)の突破者は出ず、五輪内定者「ゼロ」に終わった。

 女子は五島莉乃(26)=資生堂=が自己新記録を5秒52更新する30分53秒31で”流血”優勝を飾った。ペースメーカーと接触して左膝から流血したが「全然、気にならなかった。ゴールしてから気づいた」と振り返った。一方、自己新記録も参加標準記録に及ばす「悔しさの残るレース」と涙した。

 男子は”伏兵”の葛西潤(23)=旭化成=が27分17秒46で1位になった。参加標準記録が出なかったため、パリ五輪の出場資格者は6月末の世界ランキングで決まる。