◇7日 中日0―2巨人(バンテリンドームナゴヤ)

【福留孝介の目】

 中日・涌井が力投しながら報われなかった。0―0の7回、1死満塁で迎えた門脇を、2球で2ストライクと追い込みながら3球目の高めのつり球を中前に先制打された。カウントから見ればもったいない1球にも思えるが、テレビ実況で解説を務めた中日スポーツ評論家の福留孝介さんは「門脇は前の打席で高めを苦しそうに振っていたし、バッテリーの選択は当然と思う」と話した。「投げるほうも打つほうも必死のせめぎ合い。いい勝負だったと思う」。かつては自らもそこにいた戦いの場だけに、結果のみが重要とは考えていないようだ。

 ただし「やっぱり」として付け加えたのが「6回の(中日の)攻撃。無死一塁で(村松が)バントを失敗したり、その後つながったチャンスを細川、中田でものにできなかったり。嫌な雰囲気で7回のマウンドに立った涌井が、1点もやれないという気持ちをさらに強く持ったのでは。一発も許されない状況で先頭の岡本真を歩かせてしまったあたりにそれがうかがえる」。チャンスとピンチが交差する野球の怖さが如実に表れていた。