◇8日 中日1―4巨人(バンテリン)

 中日・小笠原慎之介投手(26)は8日の巨人戦(バンテリンドームナゴヤ)に先発し7イニング1失点だったが、今季3敗目を喫した。登板4試合続けて援護点がないという巡り合わせの悪さだった。竜打線の反撃は遅く9回に1点返したが、1―4で敗れた。

 またしても援護に恵まれなかった。先発・小笠原は7回までマウンドを守り続けて、5安打1失点も、今季3敗目(1勝)。左腕は「毎回同じようにやられている。先に点を取られた僕が悪い」と立ち上がりを悔いた。

 初回の落とし穴にはまった。丸、吉川の安打で1死一、二塁とされると、岡本和には四球を与えて1死満塁。続く坂本には145キロを中堅後方へと飛ばされ、犠飛で先制された。今季登板した6試合中5試合で先に点を与え、直近3試合はいずれも初回に先制点を献上。「慎重になってもっと攻めればいいところで攻めきれなかった」。誰もが難しい立ち上がりに左腕も苦心している。

 だが2回以降は緩急を自在に操り、巨人打線を寄せ付けない。5回2死では萩尾が放った左翼へのライナーに対して福永が目測を誤り、二塁打とされたが、吉川を145キロ直球で押し込んで左飛。仲間のミスをカバーしてみせた。

 なかなか打線とかみ合わない。開幕から6試合連続でクオリティースタート(QS、6イニング以上で自責点3以下)と先発の役割を果たすが、左腕がマウンドにいる際の得点は4月9日DeNA戦(横浜)の3回に2点を挙げたのが最後。30イニングにわたって自軍の無得点が続く。

 マウンド上で奮闘する小笠原の左腕にはうっすらとあざが残っていた。前回登板した4月30日DeNA戦(バンテリン)でピッチャー返しが左上腕部に直撃。途中からテーピングを施して6イニングを投げきった。後日、患部はテニスボールほどの大きさに腫れ上がっていた。

 チーム1のイニングイーターには、1週間後の登板機会が待つ。チームが東京遠征に出ている間、左腕は本拠地に足を運び、トレーニング室にある酸素カプセルに入っていた。疲労回復効果で知られるが、患部の新陳代謝を高め、けがの早期回復にも効能もあるとされる。チームは3月から一度に複数人が利用できる箱型のものから、1〜2人用のカプセルタイプに新調。閉ざされた空間の中で、いつも通りマウンドに立つための最善を尽くした。