◇10日 ヤクルト1―2巨人(神宮)

 巨人の先発・戸郷翔征投手(24)が力のある最速151キロの直球を軸にした投球で7イニングを無失点に抑えて、今季3勝目。セ・リーグ最多得点を誇る強力打線をわずか1安打に封じる快投劇を展開した。

 ピンチでも気後れせず力勝負を挑んだ。2回に2死から2者連続で四球を出し、一、二塁となった場面。武岡に低めのフォークを3球連続で見極められ3ボールとなったが、4球目は開き直ったように内角へ伸びのある直球を投げ込み、二飛に打ち取った。

 3回にも2死から岡本和の失策で走者を二塁に背負ったが、リーグ打点王のオスナに3球続けて直球勝負。オスナは3球目の外角高めの147キロ直球に手を出し、球威が勝り一邪飛となった。

 最年少での通算200本塁打に王手をかけている村上に対しては、2回の第1打席では全て変化球で攻め、カウント2―2から低めのフォークを振らせて三振。4回の第2打席ではフルカウントから内角に直球を投げ込み、左飛に打ち取った。6回2死の第3打席では四球を出すも、続くリーグ首位打者のサンタナには、フルカウントから内角高めの149キロ直球を振らせて三振。若きエースの意地を見せつけた。

 戸郷は試合後、ピンチを招いた2回の投球が終わってから阿部慎之助監督(45)に「100%を求めすぎるな」と、悪い球がいってもすぐ切り替えるようアドバイスされたことを明かした。「(アドバイスが)だいぶいいポイントになった。いい所でいいボールが出せた」。指揮官への感謝を口にした。