◇18日 第71回春季東海地区高校野球大会1回戦 菰野9―7享栄(岐阜県可児市・カヤバスタジアム)

 第71回春季東海地区高校野球大会が18日、岐阜市の長良川球場などで開幕。菰野(三重)が1回戦で春の愛知県大会王者の享栄を9―7で下し、19日に予定されている県岐阜商(岐阜)との準決勝に駒を進めた。

 菰野の戸田直光監督(61)と享栄の大藤敏行監督(62)は同学年。高校時代は戸田監督が大府高、大藤監督が中京高(現中京大中京)で、互いに甲子園を目指して愛知県予選でぶつかったこともある間柄で、指導者になってからも食事をともにするなど親交が深い。

 試合は先発全員が2年生の菰野が思い切りの良い直球狙いで7長打を含む11安打を集めて享栄の投手陣を攻略した。2回に四球を足掛かりに2点を先制すると、続く3回も打者11人を送り込む猛攻で一挙6点を追加した。菰野は先発左腕の栄田が味方の失策などで7点を失ったが175球で9イニングを一人で投げきった。

 試合後、会場のカヤバスタジアム前では戸田、大藤の両監督が対面。大藤監督が「良く打つな〜」と声を掛けると、戸田監督は「あんまり犠打はせんようにしている」などとしばし感想戦。最後は大藤監督が「優勝せーよ」とエールを送り、両監督は握手して別れた。青春時代に白球を追った経験を共有する旧友同士なだけに、敗軍の将にも少し笑顔がのぞいた。