米大リーグ、パドレスのダルビッシュ有投手(37)が19日のブレーブス戦で、日米通算200勝を達成した。21世紀にプロ入りした投手では初の快挙となったが、平成以降、200勝への壁は明らかに高くなっている。

◆現代野球では最速ペースでの達成

 ダルビッシュが200勝まで要した試合数は442試合。2リーグ分立後にプロ入りした投手では稲尾和久(西鉄)に次ぐ早さとなった。ただ、25歳で到達した稲尾と違って、ダルビッシュは37歳。投手分業制が進んだ現代野球では高卒でプロ入りしてダルビッシュと同じペースで勝ち続けたとしても、200勝への到達は早くて30代後半というのが現状だ。

 今のところ。ダルビッシュを上回るペースなのが、楽天の田中将大投手(36)。日米通算421試合で200勝まで残り3勝に迫っている。しかし、22日時点で今季の1軍は登板ない。

◆平成以降は150勝が昭和の200勝相当?

 昭和の時代に150勝以上を挙げた投手は37人おり、このうち22人が200勝にも到達(北別府学は平成に入ってからの200勝達成)。さらに300勝以上は6人だ。それが平成以降になると150勝到達は日米通算を含めて22人だが、今のところ200勝を達成したのはダルビッシュを含めて5人しかいない。単純に人数を比較すると、平成以降の150勝は昭和の200勝、平成以降の200勝は昭和の300勝とほぼ同数になる。

 平成以降に20代で150勝に到達したのは田中将と松坂大輔の2人。しかし、松坂は30代から故障との戦いになり日米通算170勝で力尽きた。ダルビッシュは31歳で150勝を挙げており、平成以降に同年齢で到達したのは最多勝5度の斎藤雅樹(通算180勝)、11年連続2桁勝利を挙げた星野伸之(通算176勝)、現役の米タイガース・前田健太(現在163勝)の3人。前者2人は200勝には届かず、前田も最近4年間は2桁勝利に届いていない。

◆山本由伸のペースでは達成可能か?

 野茂英雄は32歳で150勝、36歳で200勝とダルビッシュに近い年齢で節目となる記録を達成した。また、工藤公康、山本昌、黒田博樹の3人は、いずれも200勝に到達したシーズンに40代で2桁勝利を挙げるなど長きにわたって活躍した投手だった。

 若手の中で最も期待がかかるドジャースの山本由伸投手(25)は昨季までの7年間で70勝。これに対し、高卒1年目から日本でプレーした7年間でダルビッシュは93勝、田中将は99勝を挙げていた。令和最強の日本人投手の山本をもってしても200勝までの道のりはそれほど近くはないということはいえそうだ。