◇22日 巨人2−4中日(東京ドーム)

 左腕のスーパープレーが湿りがちな打線に火を付けた。中日・小笠原慎之介投手(26)が22日の巨人戦(東京ドーム)に先発し、5回に小フライを果敢にダイビングキャッチするなど、6イニング2失点の好投。打線は6回に細川、カリステの連続適時打で逆転に成功し、44イニングぶりとなる援護点を小笠原に届けた。チームは4―2で競り合いを制し引き分けを挟んで2連勝。小笠原は1カ月半ぶりの2勝目を挙げた。

 小笠原は練習日だった登板2日前の20日夜、宿舎をひとり出て「選手とは行ったことがありません」という飲食店へ向かったのだとか。秘密の隠れ家ということか。

 「人生で初めて、いい肉を食べた場所なんです」。東海大相模高で夏の甲子園を制した左腕はドラフト1位で竜入団が決まる。そのころ、知人にごちそうになった店舗。口にしたのはすき焼き。寮の食事とは比べものにならない肉質にほっぺが落ちそうになった。

 1軍に定着し、タイミングをみてはこっそり出かけているという。今回は交流戦前最終登板の節目を前に、足を運んだ。

 「きょうは頭がカッカしちゃいましたし、リリースも安定しませんでした。課題と向き合って、次も頑張ります」。今季、野菜中心の食生活をしている。とはいえ、思い出の食事とともに、過去と現在を、未来へつなぐのも大切な作業。それにしても、小笠原がうなったすき焼き、気になるなぁ。(川本光憲)