中日は24日のヤクルト戦(バンテリンドームナゴヤ)に、延長10回の末に2―5で敗れた。終盤に2点差を追いついたが、開幕から無失点投球を続けていたライデル・マルティネス投手(27)が延長10回に押し出し四球などで3失点。引き分けを挟む3連勝はならなかった。

 絶対守護神も人間だった。マルティネスがうなだれ、うずくまった。開幕から21戦無失点右腕の出番は2―2の延長10回。四死球に失策も絡み、2安打で3失点。3点以上を奪われるのは2021年9月7日の広島戦(マツダ)で5失点して以来の事態だった。

 やりたくない1点は押し出し四球で与えた。「上位(2番・長岡)から始まる。ライデルにいってもらって勝負はかけた」と立浪監督。長岡の右前打と犠打で1死二塁。村上を申告敬遠して一、二塁とされたところで育成出身のプロ通算2安打、岩田に死球を与えた。オスナを浅い右飛に斬ってあと1死。しかし、西川へフルカウントから押し出し四球を与えて均衡は破れた。

 続く代打・川端の二ゴロで途中出場の山本が一塁へ悪送球。マルティネスは打者走者と交錯し、さらに2失点(記録は内野安打と失策)。ダムは決壊した。指揮官は「ここまで1点も取られていない。これ(22戦目でのシーズン初失点)はしょうがない」とコメント。守護神は「体は今のところ何も問題ない。俺のやることは明日からも何も変わらない。いつも通り試合に向けて準備していくよ」と語った。

 試合終了はまさかでも、開始からは散見される流れだった。初回に先発・涌井が相手の主砲・村上に先制2ランを放たれた。竜の初回失点29はリーグワースト。最少のヤクルトは8。強固なブルペン陣を誇るチーム。出だしでつまずくのは何としても避けたい。

 ホームゲームでの戦績が振るわないからペナントの波に乗れない。敵地での5試合を2勝2敗1分けでバンテリンに帰ってきた。ビジターでは計24戦で10勝11敗3分け。耐えている。

 ホームゲームは計21戦で8勝11敗2分け。4つの借金のうち3つを占める。大きな声援を受けて暴れ回った貯金を敵地で食いつぶす、なら分かる。今は本拠地で勝ちきれず、敵地で歯を食いしばって名古屋へ帰ってくる繰り返しとなっている。